BOLDコホート解析:COPDの過剰診断・過剰治療は多い

e0156318_1633480.jpg 日本でも、薬剤を使用するために保険病名をとりあえずつけて・・・という医療はまかり通っています。所得が多い地域はやはり薬剤の曝露が多いですね。

Sator L, et al.
Overdiagnosis of COPD in subjects with unobstructed spirometry - a BOLD analysis.
Chest. 2019 Jan 31. pii: S0012-3692(19)30066-2. doi: 10.1016/j.chest.2019.01.015.


背景:
 COPDの過小診断についてはいくつか報告があるが、COPDの過剰診断や過剰治療についてはほとんど分かっていない。われわれは、COPDの過剰診断とスパイロメトリーの定義上COPDの偽陽性だった頻度を調べ、2003年~2012年まで実施されたBOLD試験に参加した20ヶ国における23集団サンプルを通じて、過剰治療との関連性も調べた。

方法:
 COPDの偽陽性は、医師にCOPDであると診断された参加者が気管支拡張後スパイロメトリーで非閉塞(1秒率>正常下限値)だったものに考慮された。追加解析で、さらに固定比基準(1秒率<70%)も用いた。

結果:
 16177人のうち、919人(5.7%)が過去にCOPDの診断を受けていた。気管支拡張後スパイロメトリーで非閉塞であると診断されたCOPD偽陽性例は569人(61.9%)だった(正しいCOPD診断は38.1%だったということ)。これは固定比基準を用いても同等の過剰診断率だった(55.3%)。「慢性気管支炎」あるいは「肺気腫」と診断された患者を除外したサブグループ解析では、220人(47.7%)が気流制限を有していなかった。地域特異的なCOPDの偽陽性率は、低中所得国1.9%から高所得国4.9%まで大きく変動がみられた。多変量解析において、過剰診断は女性によくみられ、高い教育水準、現在および既往喫煙者、喘鳴の存在、咳嗽および喀痰、喘息あるいは心疾患に付随する場合によくみられた。COPD偽陽性患者のうち、45.7%は呼吸器系の薬剤を現在使用されていた。喘息であると報告した患者を除外すると、それでも呼吸器系薬剤を処方されている患者の34.4%は正常スパイロメトリーだった。
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(文献より引用:所得ごとのCOPD過剰診断・過剰治療の地域差)

結論:
 COPD偽陽性は頻繁にみられる。これにより、非閉塞の患者が呼吸器系の投薬による有害作用にさらされる可能性がある。



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by otowelt | 2019-02-27 00:45 | 気管支喘息・COPD

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