電子たばこのほうがニコチン置換療法より禁煙に有効
2019年 02月 08日
「電子たばこなんてダメ!」と叫んでいた人たちは、どうするのでしょうね。意見をひっくり返すのか、そのままアンチ電子たばこの道を突き進むのか。ちなみに日本の加熱式たばことは別物なのでご留意を。タバコ葉が入っている加熱式たばこと液体ニコチンの電子たばこを比較してはダメです。
Hajek P, et al.
A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy.
N Engl J Med. 2019 Jan 30. doi: 10.1056/NEJMoa1808779.
背景:
電子たばこは禁煙の試みとして一般的に用いられているが、禁煙治療として承認されているニコチン製品と比べると有効性に関するエビデンスは限られている。
方法:
われわれはランダムにイギリス国民保健サービスの禁煙プログラムに参加している成人に対して、被験者の選択によるニコチン代替製品(パッチ、ガム、鼻スプレーなど)を最長3ヶ月提供、あるいはもう一方には、AspireのOne Kit電子たばこスターターパック(写真、第2世代詰め替え式電子タバコ、ニコチンリキッド1本あたり濃度18mg/mL)を提供し、好みのフレイバーと濃度のニコチンリキッドを自分で追加購入するよう許可した。 (Aspire One Kit)
禁煙治療には、いずれの群にも禁煙に対する行動支援を週1回、4週間以上にわたって介入した。プライマリアウトカムは、1年間の禁煙率(禁煙決断日から2週間で5本を超えないことが条件)で、1年後の最終診察時に生化学的検査で判定した(呼気中一酸化炭素濃度8ppm未満)。追跡不能例や生化学的検査ができなかった場合には、禁煙は達成されていないものと判定した。
結果:
合計886人の参加者がランダム化された(439人が電子たばこ群、447人がニコチン置換療法群)。1年禁煙率は、電子たばこ群18.0%、ニコチン置換療法群9.9%だった(相対リスク1.83、95%信頼区間1.30-2.58、p<0.001)。これは禁煙に対するNNTが12であることを意味する(95%信頼区間8 -27)。いずれの禁煙治療も、通常の喫煙と比べると満足度が低かったが、電子たばこのほうが満足度は高く、「吸いたい」という動機は有意に低かった。
(文献より引用:プライマリアウトカム)
(文献より引用:喫煙衝動)
1年後に禁煙ができていた参加者のうち、52週時点で当初割り付け群の電子たばこ、ニコチン代替製品を使い続けていたのはそれぞれ80%(79人中63人) 、9%(44人中4人)だった。総じて、咽頭あるいは口腔違和感は電子たばこ群により多くみられ(65.3% vs 51.2%)、悪心はニコチン置換療法に多かった(37.9% vs 31.3%)。電子たばこ群では、ベースラインから52週までの咳嗽と喀痰の頻度がニコチン置換療法よりも低かった(咳嗽:相対リスク0.8、95%信頼区間0.6-0.9、喀痰:相対リスク0.7、95%信頼区間0.6-0.9)。喘鳴や息切れの頻度は両群に差はなかった。
結論:
行動支援が伴う場合、電子たばこはニコチン置換療法よりも禁煙効果が高い。
Hajek P, et al.
A Randomized Trial of E-Cigarettes versus Nicotine-Replacement Therapy.
N Engl J Med. 2019 Jan 30. doi: 10.1056/NEJMoa1808779.
背景:
電子たばこは禁煙の試みとして一般的に用いられているが、禁煙治療として承認されているニコチン製品と比べると有効性に関するエビデンスは限られている。
方法:
われわれはランダムにイギリス国民保健サービスの禁煙プログラムに参加している成人に対して、被験者の選択によるニコチン代替製品(パッチ、ガム、鼻スプレーなど)を最長3ヶ月提供、あるいはもう一方には、AspireのOne Kit電子たばこスターターパック(写真、第2世代詰め替え式電子タバコ、ニコチンリキッド1本あたり濃度18mg/mL)を提供し、好みのフレイバーと濃度のニコチンリキッドを自分で追加購入するよう許可した。
禁煙治療には、いずれの群にも禁煙に対する行動支援を週1回、4週間以上にわたって介入した。プライマリアウトカムは、1年間の禁煙率(禁煙決断日から2週間で5本を超えないことが条件)で、1年後の最終診察時に生化学的検査で判定した(呼気中一酸化炭素濃度8ppm未満)。追跡不能例や生化学的検査ができなかった場合には、禁煙は達成されていないものと判定した。
結果:
合計886人の参加者がランダム化された(439人が電子たばこ群、447人がニコチン置換療法群)。1年禁煙率は、電子たばこ群18.0%、ニコチン置換療法群9.9%だった(相対リスク1.83、95%信頼区間1.30-2.58、p<0.001)。これは禁煙に対するNNTが12であることを意味する(95%信頼区間8 -27)。いずれの禁煙治療も、通常の喫煙と比べると満足度が低かったが、電子たばこのほうが満足度は高く、「吸いたい」という動機は有意に低かった。
1年後に禁煙ができていた参加者のうち、52週時点で当初割り付け群の電子たばこ、ニコチン代替製品を使い続けていたのはそれぞれ80%(79人中63人) 、9%(44人中4人)だった。総じて、咽頭あるいは口腔違和感は電子たばこ群により多くみられ(65.3% vs 51.2%)、悪心はニコチン置換療法に多かった(37.9% vs 31.3%)。電子たばこ群では、ベースラインから52週までの咳嗽と喀痰の頻度がニコチン置換療法よりも低かった(咳嗽:相対リスク0.8、95%信頼区間0.6-0.9、喀痰:相対リスク0.7、95%信頼区間0.6-0.9)。喘鳴や息切れの頻度は両群に差はなかった。
結論:
行動支援が伴う場合、電子たばこはニコチン置換療法よりも禁煙効果が高い。
by otowelt
| 2019-02-08 00:22
| 呼吸器その他