EBUS-TBNA検体に抗酸菌検査を行うべきか?
2019年 03月 21日
EBUS-TBNAのフラッシュ検体に抗酸菌検査を行うべきかどうかの参考になりますが、私が参考になったのは膨大なデータにおける縦隔リンパ節の腫大部位の内訳です。実臨床でも#7か#4RをTBNAすることが多いですよね。
Ko R, et al.
Clinical usefulness of routine AFB culture and MTB PCR of EBUS‐TBNA needle rinse fluid
Respirology, First published: 07 February 2019
背景および目的:
われわれは、縦隔リンパ節診断のための超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)の針内すすぎ液における抗酸菌(AFB)培養および結核菌(MTB)PCRの有用性を評価した。
方法:
EBUS-TBNA針内すすぎ液は、AFB培養やMTB PCRにルーチンに用いられている。患者は、処置前診断に応じて分類された(グループA:肺癌の組織学的診断あるいは疑い診断、グループB:肺外悪性腫瘍、グループC:他の良性疾患)。
結果:
4672人のうち、104人(2.2%)が結核性リンパ節炎と診断され、グループA(3863人)の1.0%、グループB(478人)の4.6%、グループC(331人)の12.7%だった。
組織病理学的に結核性リンパ節炎と診断されたのは、グループAの0.2%、グループBの1.0%、グループCの4.5%だった。組織病理にAFB培養を加えると、結核性リンパ節炎はグループAの1.0%、グループBの4.4%、グループCの10.3%に診断された(それぞれp<0.001, p=0.001, p=0.005)。組織病理にMTB PCRを加えると、結核性リンパ節炎はグループAの0.4%、グループBの1.9%、グループCの8.8%に診断された(グループC、p=0.029)。
なお、縦隔リンパ節の特性として、全11043リンパ節のうち腫大頻度の内訳は#7(28.1%)≒#4R(27.3%)>#4L(16.9%)>#11R(8.0%)>#11L(5.5%)だった。グループCのリンパ節径が有意に大きかった。
結論:
結核の中蔓延国において、処置前診断にかかわらず、EBUS-TBNAを行われた全患者の同処置針内すすぎ液のAFB培養をルーチンでおこなうことは、結核性リンパ節炎の診断率を向上させるのに有用である。
by 倉原優
Ko R, et al.
Clinical usefulness of routine AFB culture and MTB PCR of EBUS‐TBNA needle rinse fluid
Respirology, First published: 07 February 2019
背景および目的:
われわれは、縦隔リンパ節診断のための超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)の針内すすぎ液における抗酸菌(AFB)培養および結核菌(MTB)PCRの有用性を評価した。
方法:
EBUS-TBNA針内すすぎ液は、AFB培養やMTB PCRにルーチンに用いられている。患者は、処置前診断に応じて分類された(グループA:肺癌の組織学的診断あるいは疑い診断、グループB:肺外悪性腫瘍、グループC:他の良性疾患)。
結果:
4672人のうち、104人(2.2%)が結核性リンパ節炎と診断され、グループA(3863人)の1.0%、グループB(478人)の4.6%、グループC(331人)の12.7%だった。
グループA | グループB | グループC | |
平均年齢 | 65.6±9.8歳 | 61.2±13.0歳 | 52.5±15.6歳 |
男性 | 72.8% | 60.3% | 52.3% |
結核性リンパ節炎の診断 | 40人(1.0%) | 22人(4.6%) | 42人(12.7%) |
活動性肺結核の合併 | 62人(1.6%) | 13人(2.7%) | 39人(11.8%) |
組織病理学的に結核性リンパ節炎と診断されたのは、グループAの0.2%、グループBの1.0%、グループCの4.5%だった。組織病理にAFB培養を加えると、結核性リンパ節炎はグループAの1.0%、グループBの4.4%、グループCの10.3%に診断された(それぞれp<0.001, p=0.001, p=0.005)。組織病理にMTB PCRを加えると、結核性リンパ節炎はグループAの0.4%、グループBの1.9%、グループCの8.8%に診断された(グループC、p=0.029)。
なお、縦隔リンパ節の特性として、全11043リンパ節のうち腫大頻度の内訳は#7(28.1%)≒#4R(27.3%)>#4L(16.9%)>#11R(8.0%)>#11L(5.5%)だった。グループCのリンパ節径が有意に大きかった。
結論:
結核の中蔓延国において、処置前診断にかかわらず、EBUS-TBNAを行われた全患者の同処置針内すすぎ液のAFB培養をルーチンでおこなうことは、結核性リンパ節炎の診断率を向上させるのに有用である。
by otowelt
| 2019-03-21 00:45
| 気管支鏡
近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp
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