びまん性嚢胞性肺疾患は飛行機搭乗によってどのくらい気胸になるか?

びまん性嚢胞性肺疾患は飛行機搭乗によってどのくらい気胸になるか?_e0156318_14441648.jpg 患者さんにとって煩雑なのは、在宅酸素療法の搭乗手続きですね。

Wajda N, et al.
Air Travel-Related Spontaneous Pneumothorax in Diffuse Cystic Lung Diseases.
Curr Pulmonol Rep. 2018 Jun;7(2):56-62.



レビューの目的:
自然気胸(SP)は、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺Langerhans細胞組織球症(PLCH)、Birt-Hogg-Dubé(BHD)といったびまん性嚢胞性肺疾患(DCLD)によくみられる病態である。そこで、われわれは、航空機に関する適切な意思決定に際して患者および臨床医に情報提供するべく、DCLD患者の航空機SPに関する文献をまとめた。

近年の知見:
いくつかの近年の研究によれば、DCLD患者のフライト中のSPのリスクは約1%と見積もられており、疾患特異的リスクはLAMで1.1~2.6%、BHDで0~0.63%、PLCHで0.37%と類推される。

まとめ:
一般的に、DCLDのほとんどの患者は航空機を安全に使用できると思われる。ただし、飛行機に搭乗する前に、突然または新たに発症した胸痛や呼吸困難がある場合は、医師の診察を受け、飛行機に搭乗しないように助言されるべきだ。





by otowelt | 2019-04-03 00:33 | びまん性肺疾患

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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