気管支内自己血パッチは遷延性気胸の治療に有用

気管支内自己血パッチは遷延性気胸の治療に有用_e0156318_9511053.jpg これはアイディアの勝利ですね。

Zhang HT, et al.
Management of Persistent Air Leaks Using Endobronchial Autologous Blood Patch and Spigot Occlusion: A Multicentre Randomized Controlled Trial in China.
Respiration. 2019 Mar 22:1-8.


背景:
 二次性自然気胸(SSP)の患者における、適切な遷延性エアリーク(PAL)のマネジメントは議論の余地がある。

目的:
 肺胞-胸膜瘻孔(APF)およびPALがあるSSP患者において、気管支内の自己血+トロンビンパッチ(ABP)およびシリコンスピゴットを用いた気管支閉鎖(BOS)の効果と安全性を評価した。

方法:
 これは、2015年2月から2017年6月までの間、中国の6つある三次医療施設のうちの1つで実施された、水封付き胸腔ドレーン(CTD)、ABP、BOSを比較した多施設共同前向きランダム化比較試験である。APFと診断された患者でPAL(CTD7日間にもかかわらず)および手術不能患者を登録した。評価アウトカムには、観察期間の最終時点における気胸寛解の成功率、エアリークの停止期間、肺拡張、入院期間、合併症が含まれた。

結果:
 150人の患者が3群に分けて解析された(CTD、ABP、BOSそれぞれ50人ずつ)。14日時点でのでの気胸寛解率はCTDで60%、ABPで82%、BOSで84%だった(p=0.008)。すべての期間中評価アウトカムは、ABPとBOSのほうがCTD群よりも有意に良好だった(いずれもp<0.016)。胸痛、咳嗽、発熱などの有害イベントの頻度には有意差はなかった。ABPおよびBOS群の全患者は一時的に血痰を経験した。スピゴットの位置不良はBOS群の8%に起こった。

結論:
 ABPおよびBOSは、高い気胸寛解率、エアリーク停止、肺拡張、入院期間といった臨床的に意義のあるアウトカムにおいて有用であり、安全性プロファイルの懸念もなかった。




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by otowelt | 2019-04-12 00:59 | 気管支鏡

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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