crazy paving GGOを呈するニューモシスチス肺炎は予後不良
2019年 04月 26日
ただのすりガラス陰影と比べて、crazy paving patternの場合、確かに予後が悪いように思います。
Kumagai S, et al.
Prognostic significance of crazy paving ground grass opacities in non-HIV Pneumocystis jirovecii pneumonia: an observational cohort study.
BMC Pulm Med. 2019 Feb 21;19(1):47. doi: 10.1186/s12890-019-0813-y.
背景:
非HIV患者におけるPneumocystis jirovecii肺炎(PjP)では、CTですりガラス陰影(GGO)を示す。過去の報告では、非HIV PjPの患者の一部はcrazy pavingを伴うGGOを呈することが示されている。しかしながら、crazy paving GGOと非HIV PjPのあいだの臨床アウトカムの関連については研究がない。そこで、非HIV PjPと診断された時点で、われわれはGGOのタイプを同定すべく胸部高分解能CT(HRCT)を撮影し、非HIV PjP免疫不全患者の臨床アウトカムに対してcrazy paving GGOが予後に与える影響を調べた。
方法:
2006年から2015年の間に、5施設において非HIV PjPと診断された患者の胸部HRCTを含む臨床情報を後ろ向きにレビューした。GGOタイプはcrazy pavingを含むものとそうでないものに分類した。Cox回帰モデルを用いて、胸部HRCT所見のような臨床所見と院内死亡率の関連を調べた。
PjPの診断は①PjP発症に関連する免疫不全がベースにある、②臨床症状は下気道感染症を示唆する(咳嗽、呼吸困難など)、③HRCTで新たな浸潤影がある、④気管支肺胞洗浄液あるいは喀痰検体におけるP. jirovecii PCR陽性(検鏡での陽性・陰性は問わない)、⑤β-Dグルカンの有意な上昇。
結果:
61人の患者が組み入れられた。年齢中央値は69歳、女性が54.1%だった。ST合剤の予防がなされていたのはわずか3.3%だった。β-Dグルカン中央値は135.7pg/mLだった。19人の患者が院内で死亡した。全患者は非HIV PjPと診断された時点でHRCTでGGOを呈していた。
crazy paving GGOは29人(47.5%)、コンソリデーションは23人(37.7%)、気管支拡張症は14人(23.0%)、小葉中心性結節は30人(49.2%)にみられた。嚢胞も何人かにみられた。多変量解析では、crazy paving GGOおよび血清アルブミン値低値は死亡の独立リスク因子だった。 (生存曲線:文献より引用)
結論:
非HIV PjPの診断時に、crazy paving GGOがHRCTでみられた患者および血清アルブミン値が低い患者は予後不良かもしれない。
Kumagai S, et al.
Prognostic significance of crazy paving ground grass opacities in non-HIV Pneumocystis jirovecii pneumonia: an observational cohort study.
BMC Pulm Med. 2019 Feb 21;19(1):47. doi: 10.1186/s12890-019-0813-y.
背景:
非HIV患者におけるPneumocystis jirovecii肺炎(PjP)では、CTですりガラス陰影(GGO)を示す。過去の報告では、非HIV PjPの患者の一部はcrazy pavingを伴うGGOを呈することが示されている。しかしながら、crazy paving GGOと非HIV PjPのあいだの臨床アウトカムの関連については研究がない。そこで、非HIV PjPと診断された時点で、われわれはGGOのタイプを同定すべく胸部高分解能CT(HRCT)を撮影し、非HIV PjP免疫不全患者の臨床アウトカムに対してcrazy paving GGOが予後に与える影響を調べた。
方法:
2006年から2015年の間に、5施設において非HIV PjPと診断された患者の胸部HRCTを含む臨床情報を後ろ向きにレビューした。GGOタイプはcrazy pavingを含むものとそうでないものに分類した。Cox回帰モデルを用いて、胸部HRCT所見のような臨床所見と院内死亡率の関連を調べた。
PjPの診断は①PjP発症に関連する免疫不全がベースにある、②臨床症状は下気道感染症を示唆する(咳嗽、呼吸困難など)、③HRCTで新たな浸潤影がある、④気管支肺胞洗浄液あるいは喀痰検体におけるP. jirovecii PCR陽性(検鏡での陽性・陰性は問わない)、⑤β-Dグルカンの有意な上昇。
結果:
61人の患者が組み入れられた。年齢中央値は69歳、女性が54.1%だった。ST合剤の予防がなされていたのはわずか3.3%だった。β-Dグルカン中央値は135.7pg/mLだった。19人の患者が院内で死亡した。全患者は非HIV PjPと診断された時点でHRCTでGGOを呈していた。
crazy paving GGOは29人(47.5%)、コンソリデーションは23人(37.7%)、気管支拡張症は14人(23.0%)、小葉中心性結節は30人(49.2%)にみられた。嚢胞も何人かにみられた。多変量解析では、crazy paving GGOおよび血清アルブミン値低値は死亡の独立リスク因子だった。
結論:
非HIV PjPの診断時に、crazy paving GGOがHRCTでみられた患者および血清アルブミン値が低い患者は予後不良かもしれない。
by otowelt
| 2019-04-26 00:24
| 感染症全般