COPD患者に対する吸入ステロイドは肺癌リスクを減少
2019年 04月 25日
既知の知見ですが、実臨床での実感はないですね。
Raymakers AJN, et al.
Inhaled corticosteroids and the risk of lung cancer in chronic obstructive pulmonary disease (COPD): a population-based cohort study.
Eur Respir J. 2019 Apr 7. pii: 1801257. doi: 10.1183/13993003.01257-2018.
背景:
吸入ステロイド(ICS)はCOPD患者によく処方されている。COPD患者の主な死亡原因である、肺癌のリスクに対するICSの影響は不明である。
方法:
1997年~2007年までの間、カナダのブリティッシュコロンビア州において、集団ベースの処方データを用いてCOPD患者における肺癌リスクとICSの使用の関連性を評価した。COPDは、50歳以上でCOPDに関連した3薬のいずれかの処方があったものと定義した。ICS曝露時期(曝露既往、累積使用期間、累積使用用量、加重累積使用期間、加重累積使用用量)に基づいた多変量Cox回帰モデルにICS曝露を組み込んで解析した。
結果:
39676人が適格基準を満たした。コホートの平均年齢は70.7±11.1歳で、53%が女性だった。追跡期間中に994人(2.5%)が肺癌を発症した。リファレンスケース分析(曝露既往)において、ICS曝露は、肺癌リスクの30%減少と関連していた(ハザード比0.70、95%信頼区間0.61-0.80)。ICS曝露は曝露定量の5手法すべてにおいて肺癌のリスク減少と関連していた。 (文献より引用)
結論:
この集団ベース研究では、COPD患者においてICSは肺癌リスクを減少させた。
Raymakers AJN, et al.
Inhaled corticosteroids and the risk of lung cancer in chronic obstructive pulmonary disease (COPD): a population-based cohort study.
Eur Respir J. 2019 Apr 7. pii: 1801257. doi: 10.1183/13993003.01257-2018.
背景:
吸入ステロイド(ICS)はCOPD患者によく処方されている。COPD患者の主な死亡原因である、肺癌のリスクに対するICSの影響は不明である。
方法:
1997年~2007年までの間、カナダのブリティッシュコロンビア州において、集団ベースの処方データを用いてCOPD患者における肺癌リスクとICSの使用の関連性を評価した。COPDは、50歳以上でCOPDに関連した3薬のいずれかの処方があったものと定義した。ICS曝露時期(曝露既往、累積使用期間、累積使用用量、加重累積使用期間、加重累積使用用量)に基づいた多変量Cox回帰モデルにICS曝露を組み込んで解析した。
結果:
39676人が適格基準を満たした。コホートの平均年齢は70.7±11.1歳で、53%が女性だった。追跡期間中に994人(2.5%)が肺癌を発症した。リファレンスケース分析(曝露既往)において、ICS曝露は、肺癌リスクの30%減少と関連していた(ハザード比0.70、95%信頼区間0.61-0.80)。ICS曝露は曝露定量の5手法すべてにおいて肺癌のリスク減少と関連していた。
結論:
この集団ベース研究では、COPD患者においてICSは肺癌リスクを減少させた。
by otowelt
| 2019-04-25 00:37
| 気管支喘息・COPD