COPD患者に対する好酸球の測定は変動が激しい?
2019年 05月 15日

Desiree M. Schumann, et al.
Stability of the blood eosinophilic phenotype in stable and exacerbated chronic obstructive pulmonary disease
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.04.012
背景:
末梢血好酸球レベルを、COPD増悪リスクや吸入ステロイド(ICS)に対する患者の反応性のバイオマーカーとして用いることには議論の余地がある。
方法:
GOLD II-IVの安定期COPD患者を多施設共同観察研究に組み入れた。「一致」は、血中好酸球値が絶対値150/μL、3000/μL、または2%、3%、4%より持続的に低いかまたは持続的に高い数値として定義された。血中好酸球の値が2回の外来の間で変動したときを「不一致」とした。ICS治療については、試験登録時にワンポイントのデータを採取した。
結果:
2059通院・210人の患者が研究に組み込まれた。患者の70%は男性で、36%が現喫煙者であり、平均年齢は67.8±0.62歳であった。試験開始時に81%がICS治療を受けていた。中央値7日(4-12日)の経時的好酸球レベルをみると、増悪や入院と関係なく、好酸球比率の不一致が2%カットオフで77%、3%カットオフで60%、4%カットオフで42%にみられた。2回の外来のみを解析対象にした場合、それぞれ不一致は34.5%、24%、17.2%に変化した。この不一致は好酸球の絶対値でも同様の結果だった。安定期患者は、軽度/中等度増悪のある患者よりも不一致の度合いが高かった。同様の現象は、COPDの重症増悪で入院している患者と比較した際の、他疾患で入院している患者においてもみられた。試験期間の初めに患者がICSを受けていたかどうかにかかわらず、不一致は多かった。
結論:
結論として、われわれのデータによれば、血中好酸球レベルがCOPDの経過を通して有意な変動性を示すことを示唆しているため、単一測定はICS反応に対する信頼性のある予測因子ではないかもしれない。
by otowelt
| 2019-05-15 00:55
| 気管支喘息・COPD