気管支鏡後の気胸をルーチンに同定する必要があるか?
2019年 06月 04日

Centonze CP, et al.
Routine Chest Radiography for the Evaluation of Pneumothorax Following Bronchoscopy.
Acad Radiol. 2019 May;26(5):585-590.
背景および目的:
気胸を同定するために、気管支鏡後にルーチンで胸部レントゲン写真を撮影する有用性を調べること。
方法:
この後ろ向きコホート研究は当該施設IRBで承認された。プロトコルに基づいて気管支鏡後レントゲン写真を撮影されたヘルスシステム1施設の全外来患者1443人(2010年1月~2017年7月)が電子診療録から同定された。気胸の頻度(95%信頼区間)および臨床アウトカムが胸部レントゲン写真レポートと電子診療録の追跡により検証された。喫煙歴と肺疾患が気胸発症に与えるリスクはχ二乗検定を用いて同定された。
結果:
1443人の患者が気管支鏡を受け、6%(1443人中93人)が現喫煙者で、35%(1443人中505人)が既喫煙者だった。35%(1443人中540人)が肺疾患を有していた。全インターベンション後の気胸の頻度は3.4%だった(1443人中49人、95%信頼区間2.6-4.5%)。経気管支手技後の気胸の頻度は4.1%(1032人中42人、95%信頼区間3.9-5.5%)だった。事前に気胸があった患者や偽陽性診断の患者を除外すると、真の気胸の頻度は2.9%(1443人中42人、95%信頼区間2.1-3.9%)だった。気胸のリスクは喫煙歴ごとに差はなく(p=0.99)、肺疾患の既往の有無でも差はなかった(p=0.19)。気胸を起こした49人のうち、13人が有症状で、胸腔ドレーン留置を要した2人、入院を要した3人、観察のみ7人、の10人でマネジメントの変更があった。気胸関連のインターベンションは症状のない患者にはおこなわれなかった。
結論:
外来気管支鏡インターベンション後の気胸はまれであり、通常無症状で、多くが臨床的に有意な影響をもたらさない。気管支鏡後に無症状の患者は気胸のリスクがとても低いので、ルーチンの画像検査はいらないかもしれない。
by otowelt
| 2019-06-04 00:56
| 気管支鏡