COPD患者における握力測定の意義
2019年 05月 29日

Wu ZY, et al.
Handgrip strength is associated with dyspnoea and functional exercise capacity in male patients with stable COPD.
Int J Tuberc Lung Dis. 2019 Apr 1;23(4):428-432.
背景:
握力は、いくつかの疾患における栄養または有害アウトカムの評価に広く用いられている。しかしながら、握力とCOPDパラメータとの関連についてはまだよく知られていない。
目的:
安定期COPDの男性患者における握力を評価すること、および呼吸困難と機能的運動耐容能の関連をアセスメントすること。
方法:
外来通院中の安定期COPD男性患者116人を2017年2月から2017年12月までに中国の一般市中病院から登録した。それぞれの患者背景、肺機能検査、呼吸困難、運動耐容能、身体組成、握力が調べられた。
結果:
握力は、筋肉量、肺機能、6分間歩行距離(6MWD)と有意に正の相関がみられ、修正MRC息切れスケールと負の相関がみられた。多変量線形回帰分析において、年齢、除脂肪体重、6MWD、COPD罹患期間の組み合わせは握力の全分散の43.1%にのぼった。
結論:
握力は呼吸困難や運動耐容能と相関していた。加齢と疾患はCOPD患者における上肢筋力に影響を与えうる。そのため、握力測定は筋肉機能のアセスメントのためや多面的介入を早期に要する握力低下を同定するうえで簡便な方法かもしれない。
by otowelt
| 2019-05-29 00:57
| 気管支喘息・COPD