CTガイド下生検のあと、生検側を下にすると気胸が減る
2019年 06月 03日

・CTガイド下生検後の気胸を減らす方法
生検側を下にした方が、気胸が半減するようです。
Drumm O, et al.
CT-guided Lung Biopsy: Effect of Biopsy-side Down Position on Pneumothorax and Chest Tube Placement.
Radiology. 2019 May 14:182321. doi: 10.1148/radiol.2019182321.
背景:
ガントリーテーブル上の仰臥位あるいは腹臥位の体位は、CTガイド下生検の現在の標準的ケアであるが、生検した側を下にすることで気胸の頻度を減らせるかもしれない。
目的:
CTガイド下肺生検のあと、生検した側を下にすることで気胸、胸腔ドレーン留置、喀血の頻度が減るかどうか調べること。
方法:
この後ろ向き研究は2013年1月から2016年12月の3次がんセンターで実施された。CTガイド下生検をおこなわれた患者は、標準的な仰臥位あるいは腹臥位か、生検した側を下にする側臥位のいずれかを適用された。体位と気胸頻度、胸腔ドレーン留置、喀血の関連について多変量ロジスティック回帰モデルを用いて調べた。
結果:
合計373人(平均年齢68±10歳)の連続患者が登録された。196人が女性、177人が男性だった。患者のうち、184人が仰臥位あるいは腹臥位(多くは処置後そのまま安静)、189人が生検側を下にした。気胸の頻度は仰臥位あるいは腹臥位群で27.2%、生検側を下にした体位で10.6%だった(p<0.001)。胸腔ドレーン留置が必要だったのは、仰臥位るいは腹臥位群で5.4%、生検側を下にした体位で4.2%だった(p=0.54)。喀血の頻度は、それぞれ10.3%、5.3%だったが有意差はなかった(p=0.07)。
多変量ロジスティック回帰分析では、仰臥位あるいは腹臥位の体位(オッズ比2.7、95%信頼区間1.4-4.9, p=0.001)、気腫内を針が通過(オッズ比2.1、95%信頼区間1.1-4.0, p=0.02)、病変のサイズ(オッズ比1.0、95%信頼区間0.9-1.0, p=0.02)が気胸発症の独立リスク因子だった。
結論:
CTガイド下生検後に生検側を下にした体位をとることで、仰臥位あるいは腹臥位と比べて気胸の頻度を減らすことができる。
by otowelt
| 2019-06-03 00:00
| 呼吸器その他