PRM-151拡大試験:IPFに対する次世代治療薬の長期安全性と有用性
2019年 05月 26日

<参考記事>
・IPFに対する遺伝子組み換え型ヒトペントラキシン2は肺機能低下を抑制
GaneshRaghu, et al.
Long-term treatment with recombinant human pentraxin 2 protein in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: an open-label extension study
The Lancet Respiratory Medicine Available online 20 May 2019
背景:
組み換え型ヒトペントラキシン2であるPRM-151で治療された特発性肺線維症(IPF)患者は、28週間におよぶ第2相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験において、有意に%努力性肺活量(FVC)を減少させ、6分間歩行距離(6MWD)を安定させた(JAMA. 2018 Jun 12;319(22):2299-2307.:上記リンクで記事解説)。ここで、76週におよぶオープンラベル拡大試験の結果を報告する。
方法:
PRM-151-202試験期間である28週間の二重盲検期間を完遂した患者は、オープンラベル拡大試験に登録された。PRM-151群だった患者は治療を継続し、プラセボ群だった患者はPRM-151にクロスオーバーした。28週サイクルでPRM-151を投与された患者は、初回の週にday1,3,5にローディング用量として10mg/kgを60分で投与され、4週ごとに1回の10mg/kgを点滴を受けた。主要な目的は、PRM-151の長期安全性の検証であり、オープンラベル拡大試験に登録された患者を76週まで追跡した。探索的に有効性解析をおこない、ベースラインからの%FVC、%6MWD変化が調べられた。

結果:
二重盲検試験を完遂した116人のうち、111人がオープンラベル拡大試験にすすんだ(76人がPRM-151群由来、37人がプラセボ群由来)。111人のうち84人(76%)がIPF治療(ピルフェニドン55人、ニンテダニブ29人)と併用していた。IPF増悪が4人(4%)、IPF進行が4人(4%)、胸痛が2人(2%)にみられ、重篤な有害事象は21人(19%)に観察され、そのうちIPF増とIPF進行が2人ずつだった。
長期的なPRM-151の有効性が観察され、継続群ではFVC減少、6MWD減少の抑制が引き続き観察されていた(-3.6%/年、-10.5m/年)。拡大試験でPRM-151を開始した集団でも、プラセボ時期と比較して両アウトカムの悪化を抑制することが示された。

結論:
長期PRM-151は、忍容性があり%FVCおよび6MWDの減少を抑制する効果がある。IPF患者に対する大規模なPRM-151臨床試験を実施することを支持するものである。
![]() 画像から学ぶびまん性肺疾患 [ 酒井文和 ] |
by otowelt
| 2019-05-26 00:04
| びまん性肺疾患