プライマリ・ケアにおけるACOの有病率とは?

e0156318_1121988.png 欧米はとにもかくにも肥満COPDが多いので、日本とは同じように解釈できないのが難点です。COPDからみた場合も、喘息からみた場合も、「だいたい多くて2割くらい」というイメージでよいです。

Krishnan JA, et al.
Prevalence and Characteristics of Asthma-COPD Overlap in Routine Primary Care Practices.
Ann Am Thorac Soc. 2019 Jun 4. doi: 10.1513/AnnalsATS.201809-607OC.


背景:
 成人は、喘息とCOPDの両方の特徴を有する可能性があり、最近では喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)として認識されている。プライマリ・ケアではACOに関する情報が不足している。

目的:
 1) 現在喘息、COPD、またはその両方と診断されている患者のうち、プライマリ・ケアにおけるACO患者の有病率を調べ、その特徴を説明する。
 2)3つの集団の間でACOの有病率と特徴を比較する。

方法:
 Respiratory Effectiveness Group (REG)は、United Kingdom's Optimum Patient Care Research Database (OPCRD)において、40歳以上で2年の間に2回以上のプライマリ・ケア外来を受診した患者の横断研究を実施した。
 患者は診断コードに基づいて3集団から1つに分類された。すなわち、(A)COPD単独、(B)喘息とCOPDの両方、(C)喘息単独である。ACOは、以下の基準を満たすものとした。(1) 40歳以上、 (2) 現在あるいは既往喫煙者、(3) 気管支拡張後の気流制限 (1秒率<70%)、(4) 気道可逆性検査で陽性:%1秒量≥12%、1秒量≥200。

結果:
 2165人の内訳は、COPD単独1015人、喘息とCOPDの両方395人、喘息単独755人だった。この集団におけるACOの有病率は20%だった(95%信頼区間18-23%)。ACO患者の平均年齢は70±11歳で、60%が男性で、73%が既喫煙者だった(残りは現喫煙者)。全体の66%が過体重あるいは肥満だった。併存症はACO患者ではよくみられ、糖尿病(53%)、心血管系疾患(36%)、高血圧症(30%)、湿疹(23%)、鼻炎(21%)だった。ACOの有病率は、COPD単独あるいは喘息単独と診断されている患者よりも、喘息とCOPDの両方を診断されている患者で高かった(32% vs COPD単独20%[p<0.001]、喘息単独14%[p<0.001])。ACOの背景および臨床的特徴は、3集団の間で異なりをみせていた。

結論:
 プライマリ・ケアの現場で、COPD、喘息、あるいはその両方を有する患者の5人に1人がREG ACOワーキンググループ基準に基づくACOを満たすと考えられる。3集団のあいだでACOの有病率や特徴は異なっていた。





by otowelt | 2019-07-02 00:36 | 気管支喘息・COPD

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