II型急性呼吸不全のCOPD患者に対するネーザルハイフローとNPPVの比較

e0156318_1633480.jpg II型呼吸不全に対するネーザルハイフローについては、エビデンスは確かに少ないですが、問題ないと思っています。

(参考記事)
慢性II型呼吸不全に対するネーザルハイフローと非侵襲性換気の比較
・COPD増悪時のネーザルハイフローと通常酸素カニューレの比較

Sun J, et al.
High flow nasal cannula oxygen therapy versus non-invasive ventilation for chronic obstructive pulmonary disease with acute-moderate hypercapnic respiratory failure: an observational cohort study.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jun 5;14:1229-1237.


背景:
 急性低酸素性呼吸不全(ARF)に対するハイフロー鼻カニューラ(HFNC)酸素療法は、頻繁に適用されつつある。しかしながら、高炭酸ガス血症のあるARFに対する支持的なエビデンスは不足している。

方法:
 2016年4月~2018年3月までにICUにおいて、中等症の高炭酸ガス血症のARF(pH7.25-7.35、PaCO2>50mmHg)患者で、HFNCあるいは非侵襲性換気(NIV)を受けたものを対象とした。エンドポイントは治療失敗(挿管、あるいはHFNC→NIV、NIV→HFNCなどの治療変更)、28日死亡率とした。

結果:
 82人のCOPD患者(HFNC群の39人、NIV群の43人)が登録された。平均年齢は71.8±8.2歳で、54人(65.9%)が男性だった。HFNC群39人中11人(28.2%)、NIV群43人中17人(39.5%)が治療失敗に陥った(p=0.268)。28日死亡率にも群間差はなかった(HFNC群15.4% vs NIV群14%、p=0.824)。治療開始24時間のあいだ、ナースによる気道ケア介入の数はNIV群よりHFNC群のほうが有意に少なく、デバイス適合期間はHFNC群のほうが有意に長かった(p<0.05)。皮膚損傷は、NIV群で多かった(20.9% vs 5.1%、p<0.05)。
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(文献より引用)

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(文献より引用)

結論:
 高炭酸ガス血症のある中等症ARFのCOPD患者において、NIV使用と比較してHFNC使用は治療失敗を減らさなかった。一方で、ナースによるケア介入や皮膚損傷エピソードはHFNC群のほうが少なかった。


by otowelt | 2019-07-18 00:25 | 気管支喘息・COPD

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