気管支鏡時の局所麻酔はキシロカインスプレーがよい
2019年 08月 01日
当院では2%キシロカインの口腔咽頭スプレーを5~10mLほど使っています。ネブライザーは洗浄が大変になる上、今回の研究結果から死腔排出が多いことが予想されるので、コスト対効果はなさそうですね。Sahajal Dhooria, et al.
A randomized trial of nebulized lignocaine, lignocaine spray or their combination for topical anesthesia during diagnostic flexible bronchoscopy
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.06.018
背景および目的:
軟性気管支鏡のあいだの適切な局所麻酔選択はいまだに不透明である。ここで、われわれはリドカインネブライザー、口腔咽頭へのリドカインスプレー、その併用の効果と安全性を調べた。
ポルトガルにおける単施設研究である。
方法:
気管支鏡を受ける連続患者をランダムに1:1:1の割合で、リドカインネブライザー約15分(4%溶液2.5mL:A群)、口腔咽頭へのリドカインスプレー(10%溶液10噴霧5秒ごと:B群)、両者併用(ネブライザーは4%溶液2.5mL、口腔咽頭スプレーは10%溶液2噴霧:C群)に割り付けた。ただし、処置前にカメラ挿入部にキシロカインゼリーは用いた。
鎮静下で気管支鏡をおこなう予定である患者、リドカインアレルギーの患者、血行動態が不安定な患者、ベースラインのSpO2が92%未満の患者、妊婦、その他慢性合併症の懸念で登録不適格の患者などは除外された。
プライマリアウトカムは、VASを用いた主観的な咳嗽重症度である(100mm:最悪の咳嗽、0mm:咳嗽なし)。セカンダリアウトカムとして、気管支鏡処置医による咳嗽および処置満足度をVASで評価し、総リドカイン用量、もう一度処置を受けてもよいかという質問の回答、リドカイン副作用についても調べた。
結果:
1050人の患者(年齢中央値51歳、64.8%が男性)が登録された。気管支鏡の適応は呼吸器感染症が51.0%、悪性腫瘍が23.5%だった。
主観的な咳嗽評価はA群・C群と比較してB群でもっとも良好だった(VAS 4[IQR 1-10] vs 11[4-24] vs 13[5-30]、p<0.001)。気管支鏡処置医の咳嗽評価はB群が最も低く(p<0.001)、処置満足度もB群が高かった(p<0.001)。正診率もB群が最も高かった(92.6%、p=0.02)。総リドカイン用量はB群が最も少なかった(p<0.001)。有意に多くの患者(p<0.001)がB群においてもう一度検査を受けてもよいと回答した(73.7%)(A群49.1%、C群59.4%)。処置中の酸素飽和度低下は全群同等で、リドカインによる副作用は観察されなかった。
結論:
診断的軟性気管支鏡時の局所麻酔において、口腔咽頭への10%リドカインスプレー10噴霧は、リドカインネブライザーやこれらの併用と比べて優れている。
by otowelt
| 2019-08-01 00:24
| 気管支鏡









