喘息患者は自殺リスクが高い
2019年 08月 02日
どのような疾患であっても、有意なリスク上昇はあると思って診療をしています。Zhang Y,et al.
Suicidality among patients with asthma: A systematic review and meta-analysis.
J Affect Disord. 2019 Jun 30;256:594-603. doi: 10.1016/j.jad.2019.06.031.
背景:
喘息は複数の精神的合併症と関連している。しかしながら、喘息と自殺の関連はよく分かっていない。
方法:
電子データベースから、2019年1月25日までの信頼できる研究を抽出した。希死念慮、自殺企図、死亡を喘息患者と非喘息患者で比較した研究を含めた。ランダム効果モデルを使用して推定値を算出し、含まれている研究の質をNewcastle-Ottawa Scaleで評価した。
結果:
28の研究、275万9841人の喘息患者、1629万362人の非喘息コントロール者のデータがプールされ解析された。プールデータでは、喘息患者は希死念慮(オッズ比1.52; 95%信頼区間1.37-1.70), 自殺企図(オッズ比1.60; 95%信頼区間1.33-1.92)、自殺死亡(オッズ比1.31; 95%信頼区間1.11-1.55)のリスクが高かった。特筆すべきこととして、思春期の喘息患者は、非喘息コントロール者よりも自殺死亡リスクが2倍高かった(オッズ比2.14; 95%信頼区間1.61-2.83)。
リミテーション:
本研究のリミテーションとして、研究デザインの多様性と高い異質性が挙げられる。
結論:
喘息患者は、希死念慮、自殺企図、自殺による死亡のリスクが著しく増加している。臨床医は、喘息患者の自殺のリスク増加にもっと注意を払い、これら希死念慮や行動をスクリーニングし、必要に応じて適切なメンタルヘルスへ紹介するべきである。
by otowelt
| 2019-08-02 00:52
| 気管支喘息・COPD









