レスピマットのYouTube動画の質と問題点

レスピマットのYouTube動画の質と問題点_e0156318_9104522.png レスピマットは4回試し打ちが必要ですが、忘れる人が多い印象です。

Eudaley ST, et al.
YouTube as a Guide for Respimat® Soft Mist™ Inhaler Technique.
J Pharm Pract. 2019 Jun 23:897190019853988.


背景:
 消費者は健康管理にこれまで以上に関わっており、その多くは健康情報にインターネットを利用している。YouTubeは、健康教育動画における便利かつ広大な情報源である。製薬会社、医療機関、医療従事者などが、YouTubeなどのサイトでレスピマットソフトミスト吸入器デバイスの使用方法を説明したビデオを投稿している。ゆえに、内容と質を見直すことは、最善の情報が提供するうえで重要である。

目的:
 レスピマット吸入器の吸入手技についてのYouTube動画の内容と質を調べること。

方法:
 2018年5月16日に「Respimat inhaler」という用語を用いてYouTube動画を検索した。最初にヒットした手技に関する英語35動画を対象とした。スケールや添付文書/説明文を用いて、動画の質を評価した。

結果:
 35の動画をレビューしたところ、動画時間の中央値は2分50秒だった(IQR 1分23秒~4分22秒)。対象となる視聴者は、97%(n = 34)のビデオを視聴していた。動画投稿元の70%(n = 24)は専門団体だった。ほとんど(74%、n = 24)が質スコアの最高点である5点だった。省略されたステップには、廃棄日に関すること(74%)、噴霧が見えるまでの試し打ち(49%)、咽頭後部に吸入器を向けること(43%)があった。

結論:
 患者が吸入薬から最適な結果を得るためには、適切な技術が非常に重要である。レスピマット吸入手技のデモンストレーションのためにYouTubeを通じて多数の動画が利用できるが、いくつか重要なステップが省略されていた。繰り返し患者教育動画を提供し、信頼できるオンライン情報源を強化する必要がある。






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by otowelt | 2019-09-26 00:40 | 気管支喘息・COPD

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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