胸膜プラークは肺癌のリスクを上昇させない

e0156318_1553490.png トップジャーナルで塵肺の論文が出るとテンションが上がります。滅多にない出来事なので。

Brims FJ, et al.
Pleural Plaques and the Risk of Lung Cancer in Asbestos-exposed Subjects.
Am J Respir Crit Care Med. 2019 Aug 21. doi: 10.1164/rccm.201901-0096OC.


背景:
 石綿への曝露は、その曝露用量に依存して肺癌リスクを上昇させる。肺癌と胸膜プラークとの関連については議論の余地がある。

目的:
 胸膜プラークと肺癌リスクの関連を調べること。

方法:
 被験者は2コホートから集められた。①クロシドライト(青石綿)鉱山、製粉労働者、ウィッテヌーム住民、②混合石綿繊維、混合石綿従事職コホート。全被験者は1990年から毎年胸部レントゲン写真、低線量CT(LDCT)で評価され、国内がんおよび死亡レジストリとリンクされアウトカムを調べた。年齢で補正したCox回帰を用いて、性別、喫煙歴、石綿曝露、石綿肺および胸膜プラークの有無ごとに肺癌のハザード比を推定した。

※ウィッテヌームは石綿生産で有名な町だった。
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結果:
 4240人の追跡時平均年齢は65.4歳で、3486人(82.0%)が男性だった。1315人(31.0%)が胸膜プラークを有しており、1353人(32.0%)に放射線学的な石綿肺がみられた。3042人(71.7%)が既喫煙者で平均喫煙歴は33pack-yearsだった。
 200人に肺癌が発症した。肺癌のリスクは累積喫煙歴、石綿曝露歴が高いほど、また石綿肺があると高くなった。胸膜プラークは、肺癌のリスクを上昇させなかった(コホート①ハザード比1.03, 95%信頼区間0.64-1.67, p=0.89; コホート②ハザード比0.75, 95%信頼区間0.45-1.25, p=0.28)。

結論:
 胸部画像検査において胸膜プラークがあっても、それがその後の肺癌リスクを上昇させるわけではない。石綿曝露量や強度が異なる2コホートで同様の結論だった。





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by otowelt | 2019-09-12 00:24 | 肺癌・その他腫瘍

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