呼吸器疾患があると鍼治療後の気胸リスクが高くなる

e0156318_1627308.png 思ったより頻度が低いですね。ものすごく稀です。
 当院にもまれに、鍼治療後の気胸患者さんが来院されます。問い合わせても「鍼治療とは関係ありません」と言われることが多いのが残念です。

Lin SK, et al.
Incidence of iatrogenic pneumothorax following acupuncture treatments in Taiwan.
Acupunct Med. 2019 Aug 21:acupmed2018011697.

背景:
 気胸は鍼治療におけるまれな合併症であるが、そのリスク因子はよくわかっていない。

目的:
 この研究は、台湾における国内健康保険研究データベースにおける100万人のサンプルコホートを用いて、鍼治療後に入院を要する気胸を起こした頻度を調べたものである。

方法:
 1997年から2012年の間に当該コホートを用いて調べた。患者は、性別、保険金額、合併症、居住地域、鍼治療を受けた数によって層別化された。ロジスティック回帰分析によって気胸リスクを推定した。

結果:
 鍼治療後7日後までの情報が得られた、41万1734人における540万7378回の鍼治療がコホートから同定された。医原性気胸の発生は100万回の鍼治療あたり0.87で、解剖学的にリスクが高い部位の鍼治療では100万回の鍼治療あたり1.75だった。多変量ロジスティック回帰分析によれば、呼吸器手術歴(補正オッズ比7.85、95%信頼区間3.49-9.25)、慢性気管支炎(補正オッズ比2.61、95%信頼区間1.03-6.87)、気腫(補正オッズ比4.87、95%信頼区間1.03-7.96)、肺炎(補正オッズ比2.09、95%信頼区間1.44-2.72)、結核(補正オッズ比3.65、95%信頼区間1.39-9.56)、肺癌(補正オッズ比3.85、95%信頼区間1.53-9.73)が鍼治療後の気胸リスクを上昇させた。女性よりも男性のほうが気胸リスクは高かった(補正オッズ比3.41、95%信頼区間1.36-8.57)。治療回数は気胸リスク上昇とは関連していなかった。

結論:
 慢性気管支炎、気腫、結核、肺癌、肺炎、呼吸器手術既往などの呼吸器疾患の病歴がある患者は鍼治療後の気胸リスクが上昇した。



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by otowelt | 2019-09-13 00:11 | 呼吸器その他

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