
Griesinger F, et al.
Efficacy and safety of first-line carboplatin-versus cisplatin-based chemotherapy for non-small cell lung cancer: A meta-analysis.
Lung Cancer. 2019 Sep;135:196-204.
背景:
白金製剤ベースの化学療法は、進行性非小細胞肺癌(NSCLC)における1次治療として主に用いられる。この研究の目的は、カルボプラチンベースとシスプラチンベースのNSCLC1次治療の有効性、安全性、健康関連QOLを比較することである。
方法:
2013年コクラングループのメタアナリシス(Cochrane Database Syst Rev. 2013 Aug 16;(8):CD009256.)をアップデートする形とした。電子データベースから、2013年~2018年の間に発表されたランダム化比較試験を抽出した。白金製剤と併用されたのは、ゲムシタビン、ビノレルビン、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ペメトレキセド。エンドポイントには全生存(OS)、1年OS、客観的奏効率(ORR)、グレード3/4の有害事象、健康関連QOLが含まれた。
結果:
12のランダム化比較試験(2048人)が登録され、メタアナリシスに4139人が組み込まれた。カルボプラチンベースとシスプラチンベースのレジメンにOS(ハザード比1.08, 95%信頼区間0.96-1.21)、1年OS(相対リスク0.97, 95%信頼区間0.89-1.07)の有意差はなかったORRについてはシスプラチンのほうがわずかによかった(相対リスク0.88; 95%信頼区間0.78-0.99)。

有害事象はいずれにも血小板減少、貧血、神経毒性、嘔気・嘔吐が観察されたが、サイクルベースでは貧血以外に有意差はなかった(貧血はカルボプラチンのほうがリスクが高かった:相対リスク3.94[95%信頼区間1.80-8.65])。患者ベースでは、嘔気・嘔吐はカルボプラチンのほうがリスクが低く、神経毒性はシスプラチンのほうがリスクが低くかった。健康関連QOLについては、両群に差はなかった。


結論:
カルボプラチンベースおよびシスプラチンベースのいずれのNSCLC1次治療にもOSの差はなかったが、ORRはシスプラチンベースのほうがわずかに良かった。治療選択の際、毒性プロファイルも考慮すべきである。
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