SLEにおける間質性肺疾患の臨床的特徴
2019年 09月 06日
SLEの間質性肺疾患についての貴重な報告です。
Toyoda Y, et al.
Clinical features of interstitial pneumonia associated with systemic lupus erythematosus
Respir Investig. 2019 Sep;57(5):435-443.
背景:
全身性エリテマトーデス(SLE)はしばしば肺に影響を与える。しかしながら、間質性肺炎(IP)の頻度は約10%と他の膠原病よりも低いがゆえに、どのIP型がSLEと関連しているかは不明であえる。
方法:
われわれは、2011年1月から2015年12月までに徳島大学病院に入院したSLE患者69人の診療録および胸部高分解能CT(HRCT)を後ろ向きにレビューした。胸部HRCTが撮影されていない患者は除外された。診断基準(The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 1982;25./ Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 2012;64:2677e86.)に基づいてSLEは4人の膠原病科医が診断した。
結果:
外科的肺生検は誰一人として適用されなかった。
55人(80%)が女性で、SLE発症の平均年齢は42.4歳だった。IPは20人(29%)にみられ、そのうち女性が14人(70%)で、SLE発症の平均年齢は53.4歳だった。有意にIPがなかった集団よりも高齢だった(p=0.003)。有意ではなかったが、IP合併例は男性のほうが多かった。胸膜病変は6人(8.7%)、肺高血圧症は4人(5.8%)、肺胞出血は1人(1.4%)にみられた。 (患者特性:文献より引用)
IPが見つかった患者20人のうち、半数はSLE診断時に指摘された。HRCTにおけるIPパターンは、5人(25%)でUIPパターン、11人(55%)でNSIPパターン、OPパターン2人(10%)、分類不能2人(10%)だった。fine cracklesは11人(55%)に観察された。ばち指があった患者は0人だった。平均%努力性肺活量は89.4±16.3%、平均%1秒量は81.0±8.50%、平均%DLcoは66.6±15.1%だった。平均KL-6は785.3±496.5U/mLだった。
観察期間中、1人にIP急性増悪が起こったが生存した。画像所見では、IP進行はほとんどの症例でゆるやかであり(緩徐進行が12人[60%])、肺機能は保たれていた。IPの有無で生存率に差はなかった。 (Kaplan-Meier曲線:文献より引用)
結論:
SLEの症例において、IPは男性や高齢者に多くみられた。NSIPパターンに咥えて、UIPパターンもSLE関連IPとして同定された。SLE患者の生存はIPとは関連していなかった。
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Toyoda Y, et al.
Clinical features of interstitial pneumonia associated with systemic lupus erythematosus
Respir Investig. 2019 Sep;57(5):435-443.
背景:
全身性エリテマトーデス(SLE)はしばしば肺に影響を与える。しかしながら、間質性肺炎(IP)の頻度は約10%と他の膠原病よりも低いがゆえに、どのIP型がSLEと関連しているかは不明であえる。
方法:
われわれは、2011年1月から2015年12月までに徳島大学病院に入院したSLE患者69人の診療録および胸部高分解能CT(HRCT)を後ろ向きにレビューした。胸部HRCTが撮影されていない患者は除外された。診断基準(The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 1982;25./ Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 2012;64:2677e86.)に基づいてSLEは4人の膠原病科医が診断した。
結果:
外科的肺生検は誰一人として適用されなかった。
55人(80%)が女性で、SLE発症の平均年齢は42.4歳だった。IPは20人(29%)にみられ、そのうち女性が14人(70%)で、SLE発症の平均年齢は53.4歳だった。有意にIPがなかった集団よりも高齢だった(p=0.003)。有意ではなかったが、IP合併例は男性のほうが多かった。胸膜病変は6人(8.7%)、肺高血圧症は4人(5.8%)、肺胞出血は1人(1.4%)にみられた。
IPが見つかった患者20人のうち、半数はSLE診断時に指摘された。HRCTにおけるIPパターンは、5人(25%)でUIPパターン、11人(55%)でNSIPパターン、OPパターン2人(10%)、分類不能2人(10%)だった。fine cracklesは11人(55%)に観察された。ばち指があった患者は0人だった。平均%努力性肺活量は89.4±16.3%、平均%1秒量は81.0±8.50%、平均%DLcoは66.6±15.1%だった。平均KL-6は785.3±496.5U/mLだった。
観察期間中、1人にIP急性増悪が起こったが生存した。画像所見では、IP進行はほとんどの症例でゆるやかであり(緩徐進行が12人[60%])、肺機能は保たれていた。IPの有無で生存率に差はなかった。
結論:
SLEの症例において、IPは男性や高齢者に多くみられた。NSIPパターンに咥えて、UIPパターンもSLE関連IPとして同定された。SLE患者の生存はIPとは関連していなかった。
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by otowelt
| 2019-09-06 00:54
| 膠原病