BRIGALK試験:リアルワールドにおけるブリガチニブの有効性
2019年 10月 24日

・参考記事:ALTA-1L試験:ALK阻害剤ナイーブALK陽性NSCLCに対するブリガチニブ
Descourt R, et al.
Brigatinib in patients with ALK-positive advanced non-small-cell lung cancer pretreated with sequential ALK inhibitors: A multicentric real-world study (BRIGALK study).
Lung Cancer. 2019 Aug 14;136:109-114.
目的:
ブリガチニブは、クリゾチニブ既治療のALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して開発された次世代ALK阻害剤である。
方法:
この多施設共同後ろ向き研究には、クリゾチニブを含む少なくとも1つのTKIで治療されたことがあるALK陽性進行NSCLC患者が登録された。プライマリエンドポイントは、研究者によって評価された無増悪生存(PFS)である。
結果:
104人が登録された(平均年齢56.6歳、非喫煙者61.5%、腺癌98.1%、IV期88.5%)。ALKについて免疫組織化学染色で診断されたのは84%だった。患者は、少なくとも2つのALK阻害剤(主にクリゾチニブ→セリチニブ)を含め中央値3ラインの治療を受けていた。ブリガチニブ開始時、59.1%の患者がPS0-1で、51.9%が3部位以上の転移を有し、74.5%が中枢神経系への転移を有し、8.8%に癌性髄膜腫症がみられた(平均転移数は3.3±1.3部位)。ブリガチニブ治療期間中央値は6.7ヶ月(95%信頼区間0.06-20.7ヶ月)だった。

PFS中央値は6.6ヶ月(95%信頼区間4.8-9.9ヶ月)だった。ブリガチニブ前に、2ライン、3~4ライン、>4ラインの治療を受けていた患者のPFS中央値は、それぞれ4.3ヶ月(95%信頼区間2.5-8.9ヶ月), 10.4ヶ月 (95%信頼区間5.9-13.9ヶ月)、3.8ヶ月 (95%信頼区間0.8-7.4ヶ月)だった。91人の評価可能な患者のうち、疾患制御率は78.2%だった。


ブリガチニブ開始からの全生存期間中央値は17.2ヶ月(95%信頼区間11.0ヶ月-未到達)だった。ブリガチニブ治療後に病勢進行がみられた患者68人のうち、中枢神経系に病変があったのは29.4%だった。NSCLC診断からの全生存期間中央値は75.3ヶ月(95%信頼区間38.2-174.6ヶ月)だった。
結論:
複数ラインの既治療を受けたALK陽性進行NSCLC患者コホートにおいて、リアルワールドのブリガチニブの有効性を示した。
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by otowelt
| 2019-10-24 00:14
| 肺癌・その他腫瘍