
Benoît Bédat, et al.
Comparison of intrapleural use of urokinase and tissue plasminogen activator/DNAse in pleural infection.
ERJ Open Research 2019 5: 00084-2019; DOI: 10.1183/23120541.00084-2019
背景:
線維素溶解療法は、胸腔感染症における膿ドレナージを改善させうる。胸腔ドレーンを介したウロキナーゼあるいはDNAse併用t-PAによる治療は、外科手術の必要性を低下させる。この研究は、この2治療を比較した初めての臨床試験である。
方法:
われわれは単施設(Geneva大学病院)において前向きコホート研究を実施した。胸腔感染症の患者は2014年1月から2017年12月までに入院し、抗菌薬治療と胸腔ドレナージ治療を要したものとした。初回の線維素溶解療法から行われた追加処置(追加胸腔ドレナージあるいは外科手術)、合併症、コスト、放射線学的および生理学的アウトカムが解析された。
結果:
93人が試験に登録され、初回の線維素溶解療法以降、34%が追加的処置を要した(21%:追加胸腔ドレーン、13%:胸腔鏡手術)。追加的処置は、多胞化したケースに多く(p=0.01)、太径ドレーンの使用と関連していた(p=0.01)。ウロキナーゼとt-PA/DNAseの治療成功率に差はなかった(p=0.35)。また、胸腔ドレナージ期間、入院期間にも差はなかった(ぞれぞれ、p=0.05、p=0.12)。t-PA/DNAseは安価(p=0.04)だったが、血胸が多かった(p=0.002)。
結論:
ウロキナーゼは、t-PA/DNAseによる線維素溶解療法と同様に安全かつ効果的であった。
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