月経随伴性気胸患者における血中循環子宮内膜細胞の同定
2019年 10月 18日

Kiss I, et al.
Circulating Endometrial Cells in Women with Spontaneous Pneumothorax
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.09.008
背景
月経随伴性気胸の発症はまれであり、臨床医がこの診断に気づくことも困難である。月経随伴性気胸は、骨盤内子宮内膜症と強く相関しており、胸腔内子宮内膜症症候群のもっともよくみられる型でもある。循環子宮内膜細胞(CEC)は、骨盤内子宮内膜症患者で過去に同定されたことがある。CECは、気胸マネジメントに新たな知見をもたらすだろうか?
方法:
この研究は、月経と関連していることが強く疑われる自然気胸の女性患者20人において、CEC検出の頻度とその特徴を調べることである。CECは細胞の大きさから分離濃縮された(MetaCell®)。細胞形態に加えて、採取細胞において24の子宮内膜症関連遺伝子発現プロファイリングをおこなった。
コントロール群として、気胸のない子宮内膜症患者を18人設定した。
結果:
CECは20人全員にみられた。濃縮CECは、上皮性、幹細胞様、間質細胞様、腺細胞様の4つの特徴を有していた。しかしながら、全サンプルにおいてこのすべての特徴があるわけではなかった。遺伝子発現プロファイルでは、月経随伴性気胸患者のCECに2つのフェノタイプが同定された。そのうちの1つは横隔膜開口症候群、2つ目は子宮内膜胸膜移植である。
気胸のある患者のCECを、骨盤内子宮内膜症で気胸のない患者のCECと比較したところ、気胸例でHER2発現が高かった。
結論:
女性の気胸患者でCECを同定することができた。気胸患者でCECがあれば、子宮内膜症の進展が示唆されるため、早期に産婦人科コンサルトをおこない治療すべきである。
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by otowelt
| 2019-10-18 00:34
| 呼吸器その他