
Lindh MG, et al.
Subjective swallowing symptoms and related risk factors in COPD
ERJ Open Research 2019 5: 00081-2019; DOI: 10.1183/23120541.00081-2019
目的:
この研究の目的は、安定期COPD患者の大規模コホートにおいて、嚥下に関する症状の頻度を調べ、潜在的リスク因子を同定することである。
方法:
合計571人の安定期COPD患者が多施設共同研究から登録された(335人が女性、236人が男性、平均年齢68.6±7.7歳)。スパイロメトリー、質問票、30m歩行試験データが回収された。
結果:
全体のうち、33%(186人)が何かしらの嚥下に関する問題を抱えていた。もっともよくみられたのは、食べ物が喉につまってしまうこと(23%)だった。嚥下に関する症状と呼吸困難には関連がみられ、mMRCが2以上と2未満ではその頻度に有意差があった(46% vs 22%、p<0.001)。また、嚥下に関する症状と健康関連QOLには関連がみられ、CATスコア20点以上と10点未満でも同様に有意差がみられた(40% vs 19%; p<0.001)。嚥下トラブルは、身体的キャパシティの低さと関連していたが(p=0.02)、肺機能とは関連していなかった(p>0.28)。

※原文のCAT≧2はCAT≧20の誤りと思われる
GOLDごとではGOLD1の39%、GOLD2の31%、GOLD3の36%、GOLD4の27%に嚥下トラブルがみられ、病期ごとの差はなかった(p=0.28)。
結論:
安定期COPDにおける、嚥下関連症状はよくみられる問題である。COPDのどの病期でもみられる問題であるが、有症状で身体的キャパシティが低いCOPD患者でより頻繁にみられる事象である。
■「呼吸器内科医」はm3を応援しています!新規登録で3,000円相当ポイント進呈!
