喘息に対する経口ステロイドの実態(ドイツ)
2019年 11月 29日

Christian Taube, et al.
Prevalence of oral corticosteroid use in the German severe asthma population
ERJ Open Research 2019 5: 00092-2019; DOI: 10.1183/23120541.00092-2019
目的:
重症喘息の有病率、併存疾患、特に重症喘息患者における経口ステロイド(OCS)療法の使用について調査した。
方法:
2015年の公的健康保険の396万1429人のプールデータを解析した。重症喘息の有病率を調べ、OCSに関連した合併症について高用量ICS/LABA使用患者とOCS使用患者で比較した。
結果:

喘息の有病率は7.3%で、そのうち8.7%(全体の0.6%)が高用量ICS/LABAで治療されていた。そのうち、追加的OCSを投与されたのは33.6%で、1日あたり0.9~9.1mgと幅があった。17.3%が180日を超えて処方されていた。
高用量ICS/LABAを用いている患者の80%以上が少なくとも1つの合併症を有していた。心疾患(67.5%)、代謝性/栄養疾患(51.4%)、精神疾患(36.0%)、筋骨格系/結合組織疾患(20.3%)、眼疾患(20.0%)が多かった。
長期OCS治療により、かかる医療費の上昇が推定された。OCS治療を受けていない患者では1人あたり4266ユーロ/年であったのに対して、OCS治療を受けてると11253ユーロ/年かかった。
結論:
高用量ICS/LABAを用いている重症喘息患者では、OCSは頻繁に使用されており、副作用や医療費の増加につながっている。
by otowelt
| 2019-11-29 00:57
| 気管支喘息・COPD