HOmeVentレジストリ:COPD患者における高炭酸ガス血症の頻度
2019年 11月 22日

Dreher M, et al.
Prevalence Of Chronic Hypercapnia In Severe Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Data From The HOmeVent Registry.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Oct 18;14:2377-2384.
背景:
非侵襲性換気(NIV)は、慢性II型呼吸不全のCOPD患者の生存とQOLを改善させることが示されている。しかしながら、慢性高炭酸ガス血症を有するCOPD患者の頻度はよくわかっておらず、どのような患者に多いかも不透明である。HOmeVentレジストリは、外来COPD患者において慢性高炭酸ガス血症の頻度を調べ、それを予測する因子を評価するために開始された。
方法:
HOmeVentは、GOLD stage 3あるいは4のCOPD患者を含む多施設共同前向き観察研究である。ルーチンの外来業務から適格患者を登録した。血液ガス分析、肺機能検査、QOLアセスメントがおこなわれた。
急性増悪例は除外された。
結果:
ドイツの10の外来クリニックから231人のCOPD患者が登録された(GOLD stage 3が135人[58%]、GOLD stage 4が96人[42%])。21%が在宅酸素療法を受けていた。
全体で58人(25%)がPaCO2≧45mmHgだった。そのうち、20人(9%)がPaCO2≧50mmHgだった。GOLD stage 4のほうがstage 3よりも高炭酸ガス血症を有する頻度が高かった。BMI高値、努力性肺活量低値、重炭酸値高値は、高炭酸ガス血症をよく予測した。NIVを受けている患者は、全体の6%で、高炭酸ガス血症のある患者の22%だった。PaCO2レベルはQOLに影響を与えなかった。

結論:
GOLD stage 3および4のCOPD患者において、高炭酸ガス血症の頻度を知ることで、長期在宅NIV治療が適用されるべき症例を同定できるかもしれない。
by otowelt
| 2019-11-22 00:57
| 気管支喘息・COPD