メタアナリシス:heterogeneous emphysemaに対するspiration valve system
2019年 12月 16日
heterogeneous emphysemaに対するspiration valve system(図)のメタアナリシスです。
(spiration valve system)
(参考記事)
・LIBERATE研究:heterogeneous emphysemaに対するZephyr®の12ヶ月アウトカム
・TRANSFORM試験:heterogeneous emphysemaに対する気管支内バルブ(Zephyr)の多施設共同研究
Majid A, et al.
Respiration. 2019 Nov 22:1-11. doi: 10.1159/000504183.
Efficacy of the Spiration Valve System in Patients with Severe Heterogeneous Emphysema: A Systematic Review and Meta-Analysis.
背景:
Spiration Valve System (SVS)は、重症heterogeneous emphysemaに対する代替治療法であるが、ランダム化比較試験の効果に基づくデータには不透明な部分がある。
目的:
重症heterogeneous emphysemaおよび過膨張がある患者におけるSVSの効果と安全性を調べた。
方法:
われわれは、PubMed, EMBASE, コクランのデータベースを用いた。2019年8月までの検索を対象とした。ランダム化比較試験のみを解析に組み込んだ。バイアスリスクはコクランのバイアスリスクツールを用いた。メタアナリシスでは、1秒量の変化、6分間歩行試験、残気量、mMRC、SGRQスコア、総死亡、気胸リスク、COPD増悪リスクについて評価した。エビデンスの質はGRADEアプローチを用いて評価した。
結果:
629人の患者を含んだ4つのランダム化比較試験が登録された。SVSは、ベースラインから1秒量0.03L(95%信頼区間-0.07~0.13、I2=100%)、予測1秒量(%)2.03%(95%信頼区間-2.50~6.57, I2= 96%)の変化をもたらしたが、側副換気(CV)がない患者にしぼった研究では1秒量は0.12L(95%信頼区間0.09~0.015、I2=0%)の改善だった。このサブグループでは、SGRQスコアは-12.27点(95%信頼区間-15.84~-8.70、I2=0%)、mMRCは-0.54(95%信頼区間-0.74~-0.33、I2=0%)と良好な変化がみられた。6分間歩行距離の平均変化には利益はもたらさなかった(-4.54m, 95%信頼区間-21.88~31.00、I2=73%)。死亡の相対リスクは2.54(95%信頼区間0.81~7.96、I2=0%)、気胸の相対リスクは3.3(95%信頼区間0.61~18.12、I2=0%)、COPD増悪のリスクは1.68(95%信頼区間1.04~2.70、I2=0%)。
結論:
CVがない重症heterogeneous emphysemaおよび過膨張がある患者において、SVSは肺機能、QOL、呼吸困難スコアの改善が期待できる代替治療である。
(参考記事)
・LIBERATE研究:heterogeneous emphysemaに対するZephyr®の12ヶ月アウトカム
・TRANSFORM試験:heterogeneous emphysemaに対する気管支内バルブ(Zephyr)の多施設共同研究
Majid A, et al.
Respiration. 2019 Nov 22:1-11. doi: 10.1159/000504183.
Efficacy of the Spiration Valve System in Patients with Severe Heterogeneous Emphysema: A Systematic Review and Meta-Analysis.
背景:
Spiration Valve System (SVS)は、重症heterogeneous emphysemaに対する代替治療法であるが、ランダム化比較試験の効果に基づくデータには不透明な部分がある。
目的:
重症heterogeneous emphysemaおよび過膨張がある患者におけるSVSの効果と安全性を調べた。
方法:
われわれは、PubMed, EMBASE, コクランのデータベースを用いた。2019年8月までの検索を対象とした。ランダム化比較試験のみを解析に組み込んだ。バイアスリスクはコクランのバイアスリスクツールを用いた。メタアナリシスでは、1秒量の変化、6分間歩行試験、残気量、mMRC、SGRQスコア、総死亡、気胸リスク、COPD増悪リスクについて評価した。エビデンスの質はGRADEアプローチを用いて評価した。
結果:
629人の患者を含んだ4つのランダム化比較試験が登録された。SVSは、ベースラインから1秒量0.03L(95%信頼区間-0.07~0.13、I2=100%)、予測1秒量(%)2.03%(95%信頼区間-2.50~6.57, I2= 96%)の変化をもたらしたが、側副換気(CV)がない患者にしぼった研究では1秒量は0.12L(95%信頼区間0.09~0.015、I2=0%)の改善だった。このサブグループでは、SGRQスコアは-12.27点(95%信頼区間-15.84~-8.70、I2=0%)、mMRCは-0.54(95%信頼区間-0.74~-0.33、I2=0%)と良好な変化がみられた。6分間歩行距離の平均変化には利益はもたらさなかった(-4.54m, 95%信頼区間-21.88~31.00、I2=73%)。死亡の相対リスクは2.54(95%信頼区間0.81~7.96、I2=0%)、気胸の相対リスクは3.3(95%信頼区間0.61~18.12、I2=0%)、COPD増悪のリスクは1.68(95%信頼区間1.04~2.70、I2=0%)。
結論:
CVがない重症heterogeneous emphysemaおよび過膨張がある患者において、SVSは肺機能、QOL、呼吸困難スコアの改善が期待できる代替治療である。
by otowelt
| 2019-12-16 00:51
| 気管支喘息・COPD