BMIは免疫チェックポイント阻害剤の効果に影響を与える
2019年 12月 27日

Ichihara E, et al.
The impact of body mass index on the efficacy of anti-PD-1/PD-L1 antibodies in patients with non-small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2019 Nov 18;139:140-145.
目的:
悪性黒色腫のような固形癌において、BMIは免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果と関連していることが報告されている。しかしながら、PD-1/PD-L1阻害剤で治療された非小細胞肺癌(NSCLC)にこの関連があるのかどうか不明である。この研究の目的は、進行NSCLC患者においてBMIとICI治療の効果に関連があるかどうか調べることである。
患者および方法:
2015年12月から2018年5月までに9施設においてPD-1/PD-L1抗体単独療法を受けたNSCLC患者の診療録を後ろ向きにレビューした。BMIの影響を2つのコホートで検証した。コホート1には、1次治療としてペムブロリズマブ投与を受けたPD-L1発現50%以上のNSCLC患者が組み入れられた。コホート2には、2次治療以降にニボルマブ/ペムブロリズマブ/アテゾリズマブで治療されたNSCLC患者が組み入れられた。
結果:
9施設から513人が登録され、解析対象となった(コホート1:84人、コホート2:429人)。BMIカットオフ値を、国内で理想BMIとされている22kg/m2に設定した場合、コホート1では無増悪生存期間、全生存期間には差はみられなかったが、コホート2において、生存期間は高BMI群のほうが低BMI群よりも延長した(無増悪生存期間:3.7 vs 2.8ヶ月、p=0.036、全生存期間:15.4 vs 13.5ヶ月、p=0.021)。
結論:
われわれのコホートでは、2次治療以降にPD-1/PD-L1阻害剤で治療されたNSCLC患者において、BMIとICIの効果に関連がみられた。
by otowelt
| 2019-12-27 00:31
| 肺癌・その他腫瘍