クリスマスBMJ2019:臨床研究の著者が男性の場合、研究結果は誇張される?

クリスマスBMJ2019:臨床研究の著者が男性の場合、研究結果は誇張される?_e0156318_1016912.png 臨床研究のフレーミング効果について。

Marc J Lerchenmueller, et al.
Gender differences in how scientists present the importance of their research: observational study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6573


目的:
 女性は、医学部や生命科学の分野で代表的な立ち位置にいない。臨床研究の主たる研究者に性差が存在し、これが影響する可能性があるかどうかは調査が困難だった。この研究の目的は、性別が研究結果をどの程度肯定的なものにするか分析し、こうした研究がその後の引用の増加に関連しているかどうかを調べることである。

デザイン:
 後ろ向き観察研究。

データ:
 PubMedで検索され、2002年から2017年の間に発行された101720の臨床研究のタイトルとアブストラクトおよび約620万の一般的なライフサイエンス記事からデータを得た。

アウトカム:
 タイトルとアブストラクトを分析して、男性と女性が「新規」や「優秀」などのポジティブな用語を使用して研究を提示しているかどうかを判断した。ファーストオーサーとラストオーサーの性別構成を調べ、科学雑誌、出版年、雑誌のインパクトファクターなどで補正し、25の肯定用語のセットについて男女のポジティブフレーミングの相対確率を推定した。

結果:
 ファーストオーサー、ラストオーサーの両方が女性である記事は、タイトルまたはアブストラクトの10.9%で25の肯定的な用語の少なくとも1つを使用し、これが男性の場合は12.2%だった(相対差12.3%、95%信頼区間5.7%-18.9%)。
 肯定的な提示の性差は、インパクトファクターの高い臨床系ジャーナルで最も大きく(インパクトファクター>10)、女性は研究をポジティブに提示する可能性が21.4%少なかった。 臨床ジャーナル全体で、ポジティブな提示は9.4%(95%信頼区間6.6%-12.2%)高くその後の高い引用と関連しており、インパクトファクターの大きい臨床ジャーナルでは13.0%(95%信頼区間9.5%-16.5%)高く関連していた。
 これらの結果は、一般的なライフサイエンスの記事に適用されたときと類似しており、ポジティブな用語を使用する際の性差は、科学雑誌以外の状況においても一般化されることを示している。
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(ポジティブな用語:文献より引用)

結論:
 男性のファーストオーサー・ラストオーサーが関与する臨床論文は、特にインパクトファクターが高いジャーナルで、両方が女性である論文と比較して、タイトルおよびアブストラクトで研究結果を肯定的に提示する可能性が高い。研究結果を肯定的に提示することで、その後の引用が増えた。



by otowelt | 2019-12-17 10:16 | その他

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