クリスマスBMJ2019:政治的イベントは医師の気分に影響を与える
2019年 12月 17日

Elena Frank, et al.
Political events and mood among young physicians: a prospective cohort study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6322
目的:
最近の政治イベントが若手医師の間の気分に与える影響を調査すること。
デザイン:
前向きコホート研究。
場所:
アメリカ合衆国の医療センター。
参加者:
2016年~2018年に実施された研修医健康研究による2345人の研修医の縦断的な気分データ。
アウトカム:
影響力のある政治的および非政治的イベント後の1週間の平均気分スコアと、前の4週間の対照期間における平均気分との比較。
結果:
分析のために、9つの政治的イベントと8つの非政治的イベントを同定した。7月にインターンシップを開始すると、研修医の気分の平均低下は-0.30(95%信頼区間-0.33〜-0.27、t = -17.45、P <0.001)だった。2016年のアメリカ大統領選挙(平均気分変化-0.32、95%信頼区間-0.45〜-0.19、t = -4.73、P <0.001)およびその後の大統領就任(平均気分変化-0.25、95 %信頼区間-0.37から-0.12、t = -3.93、P <0.001)でも有意な影響がみられた。
男性と比較して、女性は2016年の大統領選挙(平均性差0.31、95%信頼区間0.05~0.58、t = 2.33、P = 0.02)と大統領就任(平均性差0.25、95%信頼0.01~ 0.49, t=2.05, P=0.04)の両方の後、より大きな気分の低下がみられた。
全体として、政治的イベントの66.7%(6/9)に続いて、統計的に有意な気分の変化があった。反面、分析に含まれた非政治的イベントについては、いずれも気分の変化と関連していなかった。

結論:
政治などのマクロレベルの要因は、若手医師の気分と相関する可能性がある。若手医師とその担当患者のために、政治と医学の絡み合いについてはさらに検証が必要であろう。
by otowelt
| 2019-12-17 10:42
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