クリスマスBMJ2019:春~夏に生まれた女性は心血管疾患死亡率が高い
2019年 12月 19日

Yin Zhang, et al.
Birth month, birth season, and overall and cardiovascular disease mortality in US women: prospective cohort study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6058
目的:
生年月日、出生季節、総死亡率・心血管疾患死亡率の関連性を評価し、これらにおける家族および社会経済的要因の役割を調べること。
デザイン:
前向きコホート研究。
セッティング:
1976年に立ち上げられたNurses’ Health Study。アメリカでおこなわれている前向きコホート研究。
参加者:
コホート登録時の生年月日情報を報告した女性看護師(n = 116911人、1976年-2014年、38年間追跡)。
曝露:
誕生月と天文学的な誕生季節(季節区分の境界として二至二分に基づく)。
アウトカム:
Cox比例ハザードを用いて、出生月(基準として11月を使用)、天文学的誕生季節(基準として秋を使用)、総死亡率・心血管疾患関連死亡率の間の関連について、多変量補正ハザード比、95%信頼区間で評価。
結果:
参加者のうち、登録から4136364人年のあいだに43248人の死亡が報告された。うち、8360人が心血管系疾患に関連した死亡だった。補正多変量解析では、出生月・出生季節・総死亡のあいだに関連は観察されなかった。11月に生まれた女性と比べると、心血管系疾患に関連した死亡は、3月~7月に多かった(ハザード比:3月:1.09, 95%信頼区間0.98~1.21; 4月: 1.12, 95%信頼区間:1.00~1.24; 5月:1.08, 95%信頼区間0.98~1.20; 6月:1.07, 95%信頼区間0.96~1.19; 7月1.08, 95%信頼区間0.98~1.20)。4月に生まれた人は心血管系死亡率がもっとも高く、12月がもっとも低かった(12月:0.95, 95%信頼区間0.85~1.06)。最高と最低の間の相対差は17.89%だった。春(1.10、95%信頼区間1.04〜1.17)および夏(1.09、95%信頼区間1.03〜1.16)に生まれた女性は、秋に生まれた女性よりも心血管疾患による死亡率が高かった。家族および社会経済的要因の調整はこれらの結果を変えなかった。リスクの最も低い季節と最も高い季節の相対差は10.00%だった。
結論:
春と夏に生まれた参加者(特に3月〜7月に生まれた参加者)は、心血管疾患死亡率がわずかではあるが有意に増加した。しかし、総死亡率については、季節的な出生月の影響は観察されなかった。家族性および社会経済的要因はこれらの関連性に影響を与えなかった。心血管疾患の死亡率における季節的な出生月の影響のメカニズムを明らかにするには、さらなる研究が必要である。
by otowelt
| 2019-12-19 15:13
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