クリスマスBMJ2019:芸術に触れると長寿になる
2019年 12月 19日

Daisy Fancourt, et al.
The art of life and death: 14 year follow-up analyses of associations between arts engagement and mortality in the English Longitudinal Study of Ageing
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6377
目的:
14年間のフォローアップ期間における、芸術に触れる頻度と死亡率との関連を調査すること。
デザイン:
前向きコホート研究。
参加者:
50歳以上の成人住民6710人(52.6%が女性、平均年齢65.9±9.4歳)のイギリス縦断的研究。
介入:
自己申告による”芸術に触れること”(美術館、美術館、展示会、劇場、コンサート、オペラに行くなど)。
アウトカム:
国民健康サービスのデータリンクに基づく死亡率。
結果:
まれではあるものの(1年に1回か2回)に芸術活動した人は、追跡中の任意の時点で死亡するリスクが芸術活動をしていない人よりも14%低くなった(3042人中809人死亡 vs 1762人中837人死亡、ハザード比0.86、95%信頼区間0.77〜0.96)。頻繁(数ヶ月ごと)に芸術活動をしている人は、人口統計学、社会経済学、健康関連、行動学的、社会的要因とは独立して、死亡リスクが31%低かった(1906人中355人死亡、ハザード比0.69、95%信頼区間0.59-0.80)。結果は、性別、社会経済的地位、社会的要因によって影響されることなく、感度分析の範囲では不変だった。当該研究は観察研究であり、因果関係は推測できない。

結論:
芸術に触れることは、高齢者の長寿に対して保護的に寄与するかもしれない。芸術活動する人とそうでない人の、認識、精神的健康、身体活動性などの差によって部分的に説明されるかもしれないが、補正してもおおむね有意な結果であった。
by otowelt
| 2019-12-19 16:08
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