IMPACT試験の日本人サブグループ解析

IMPACT試験の日本人サブグループ解析_e0156318_1051535.jpg IMPACT試験の日本人サブグループ解析の結果です。いろいろ迷いましたが、記事にします。
 元のIMPACT試験の記事はこちら。

IMPACT試験:COPDにおけるトリプル吸入療法は中等症あるいは重症COPD増悪を抑制

Kato M, et al.
The IMPACT Study - Single Inhaler Triple Therapy (FF/UMEC/VI) Versus FF/VI And UMEC/VI In Patients With COPD: Efficacy And Safety In A Japanese Population.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Dec 6;14:2849-2861.


目的:
 有症状COPDおよび増悪歴のある患者に対して、単一吸入デバイスによるフルチカゾンフランカルボン酸/ウメクリジニウム/ビランテロール(FF/UMEC/VI)のトリプル吸入療法は、FF/VIあるいはUMEC/VIのダブル吸入療法と比較して、中等症/重症の増悪率を減らし肺機能と健康ステータスを改善させることがIMPACT試験で示された。この有効性と安全性を登録日本人患者で解析した。

患者および方法:
 IMPACT試験は、52週間の1日1回FF100μg+UMEC62.5μg+VI25μgのトリプル吸入療法を受けた群と、FF/VIあるいはUMEC/VIのダブル吸入療法を受けた群を比較した、ランダム化二重盲検比較試験である。患者は40歳以上の有症状COPD患者で、過去1年に1回以上の中等症/重症増悪を経験しているものとした。プライマリアウトカムは、治療中の中等症/重症のCOPD増悪年間発生率とした。そのほか、初回中等症/重症増悪までの期間、ベースラインから52週目までの1秒量、気管支拡張後1秒量、SGRQスコア、CATスコアの変化量をエンドポイントに組み入れた。安全性も解析された。

結果:
 日本人サブグループは、IMPACT ITT集団の4%(10355人中378人)だった。日本人サブグループにおいて、FF/UMEC/VIは中等症/重症の年間増悪発生率をFF/VIより15%(95%信頼区間-20~40)、UMEC/VIより36%(95%信頼区間6~57)減少させた。FF/UMEC/VIは、中等症/重症増悪リスク(初回までの期間)、肺機能、健康ステータスについてもダブル吸入療法より改善させた。これらの結果は、IMPACT ITT集団と同様のものであった。新たな安全性懸念はみられなかった。肺炎発症頻度はFF/UMEC/VIとFF/VIのほうがUMEC/VIよりも高かった。

結論:
 これらの結果は、有症状COPDで過去1年に増悪歴のある日本人患者に対してFF/UMEC/VIはFF/VIあるいはUMEC/VIの併用療法よりも医学的利益があることを示している。





by otowelt | 2020-01-14 00:08 | 気管支喘息・COPD

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