メタアナリシス:超多剤耐性結核に対するリネゾリド
2020年 01月 28日
用量を減らしても効果に問題がないのなら、600mg/日も使いたくないです。
Lifan Z, et al.
Linezolid for the treatment of extensively drug-resistant tuberculosis: a systematic review and meta-analysis
INT J TUBERC LUNG DIS 23(12):1293–1307
セッティング:
リネゾリドは超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に使用することができる。
目的:
XDR-TBに対するリネゾリドの効果と安全性に関するエビデンスをアセスメントするため、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施すること。
デザイン:
MEDLINE@OVID, PubMed, EMBASE, Cochrane Library, Clinical Trials, Sinomed, CMCI, CNKI, VIP, Wanfangのデータベースから、2000年1月から2016年12月まで、XDR-TBに対してリネゾリドを用いたランダム化比較試験、コホート研究、ケースシリーズあるいは症例報告を抽出した。喀痰培養陰性化、治療成功率、副作用の要約推定値が調べられた。結合できなかったデータは、定性的に要約した。結果を統合し、異質性、感度、出版バイアスについて調べた。
結果:
22研究(302人のXDR-TB患者)が適格基準を満たした。リネゾリドで治療を受けたXDR-TB患者の喀痰培養陰性化は93.2%、治療成功率は67.4%だった。骨髄抑制、末梢神経障害、視神経炎、消化器系副作用はそれぞれ42.5%、26.0%、19.0%、35.0%だった。異質性は、おもにリネゾリドの初期用量(600mg/日以下あるいは600mg/日超)に由来し、高用量の場合骨髄抑制(48.4% vs. 24.8%, P = 0.010)や消化器系副作用(41.3% vs.15.4%, P = 0.100)を起こしやすかった。
結論:
XDR-TBに対するリネゾリドは有効だが、副作用がよくみられる。初期用量を600mg/日以下にするほうが望ましいだろう。
Lifan Z, et al.
Linezolid for the treatment of extensively drug-resistant tuberculosis: a systematic review and meta-analysis
INT J TUBERC LUNG DIS 23(12):1293–1307
セッティング:
リネゾリドは超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に使用することができる。
目的:
XDR-TBに対するリネゾリドの効果と安全性に関するエビデンスをアセスメントするため、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施すること。
デザイン:
MEDLINE@OVID, PubMed, EMBASE, Cochrane Library, Clinical Trials, Sinomed, CMCI, CNKI, VIP, Wanfangのデータベースから、2000年1月から2016年12月まで、XDR-TBに対してリネゾリドを用いたランダム化比較試験、コホート研究、ケースシリーズあるいは症例報告を抽出した。喀痰培養陰性化、治療成功率、副作用の要約推定値が調べられた。結合できなかったデータは、定性的に要約した。結果を統合し、異質性、感度、出版バイアスについて調べた。
結果:
22研究(302人のXDR-TB患者)が適格基準を満たした。リネゾリドで治療を受けたXDR-TB患者の喀痰培養陰性化は93.2%、治療成功率は67.4%だった。骨髄抑制、末梢神経障害、視神経炎、消化器系副作用はそれぞれ42.5%、26.0%、19.0%、35.0%だった。異質性は、おもにリネゾリドの初期用量(600mg/日以下あるいは600mg/日超)に由来し、高用量の場合骨髄抑制(48.4% vs. 24.8%, P = 0.010)や消化器系副作用(41.3% vs.15.4%, P = 0.100)を起こしやすかった。
結論:
XDR-TBに対するリネゾリドは有効だが、副作用がよくみられる。初期用量を600mg/日以下にするほうが望ましいだろう。
by otowelt
| 2020-01-28 00:23
| 抗酸菌感染症