抗結核薬内服患者における関節痛

抗結核薬内服患者における関節痛_e0156318_22102160.png うーん、個人的には関節痛で困った症例はほとんどない・・・。ピラジナミドで尿酸値が12を超えることもしばしばありますし、レボフロキサシンもよく使いますが、関節痛が出て困った症例・・・あったかな・・・。
 ピラジナミド・フルオロキノロン併用患者の約半数って、ちょっと信じがたいです。 

Mandovra NP, et al.
High Incidence of New-Onset Joint Pain in Patients on Fluoroquinolones as Antituberculous Treatment.
Respiration. 2020 Jan 14:1-7.


背景:
 関節痛はしばしば抗結核薬治療を受けている患者にみられ、ピラジナミドは関節痛と関連しているとされている。フルオロキノロンに関連した関節痛と腱傷害は、長期ステロイド治療や移植レシピエントで報告されているが、結核患者におけるデータは不足している。

目的:
 この研究の目的は、抗結核薬治療を受けているあいだの関節痛の頻度と、フルオロキノロンとの関連性を調べることである。

方法:
 1年間、外来クリニックで結核と診断された患者をレビューし、3群に分けた。A群:ピラジナミド治療を受けた群、B群:フルオロキノロン治療を受けた群、C群:ピラジナミドとフルオロキノロンの両方を受けた群。すべての群で関節痛が出現するまでの期間を記録した。関節痛は鎮痛薬で初期治療され、関連する高尿酸血症はアロプリノール/フェブキソスタットで治療された。原因薬剤は、耐えがたい関節痛がある場合中止された。

結果:
 260人(47%が女性、平均年齢38±18歳)が登録された(A群140人、B群81人、C群39人)。260人中76人(29%)に関節痛がみられた。内訳はA群140人中24人(17%)、B群81人中32人(40%)、C群39人中20人(51%)だった。関節痛出現までの期間中央値は83日(IQR40~167)で、A群55日(IQR32-66)、B群138日(IQR74-278)、C群88日(IQR34-183)だった。高尿酸血症は、A群24人中12人(50%)、B群20人中11人(55%)にみられた。耐え難い関節痛のために、A群でピラジナミドが中止されたのは140人中7人(5%)、B群でフルオロキノロンが中止されたのは81人中6人(7%)、C群でピラジナミドとフルオロキノロンの両方が中止されたのは39人中5人(13%)だった。主な関節痛部位は、膝関節と足関節だった。

結論:
 抗結核薬治療を受けている患者で、関節痛は多くみられる。これはおもに、ピラジナミド単独ではなく、フルオロキノロンあるいはフルオロキノロン・ピラジナミド併用に起因するものである。




by otowelt | 2020-04-14 00:54 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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