
Rachele Invernizzi, et al.
Bacterial burden in the lower airways predicts disease progression in idiopathic pulmonary fibrosis and is independent of radiological disease extent
European Respiratory Journal 2020; DOI: 10.1183/13993003.01519-2019
背景:
特発性肺線維症(IPF)患者の下気道における細菌負荷(bacterial burden)の増大は、疾患の進行や死亡のリスクを上昇させるとされている。しかしながら、細菌負荷の増加が直接線維化の進行に影響を与えているのか、あるいは単に基礎疾患の重症度を反映しているのかは不明である。
方法:
われわれは、気管支鏡検査を受けMDDでIPFと診断された193人の患者を前向きに登録した。気管支肺胞洗浄における総細菌負荷の定量は、16S rRNA遺伝子のqPCRで測定された。画像は、2人の読影者によって独立して評価され、病変の広がり、重症度などの特徴と細菌量の関係を調べた。
結果:
細菌負荷の増加は、疾患進行と関連していた(ハザード比2.1、95%信頼区間1.287-3.474、p=0.0028)。多変量ステップワイズ回帰では、細菌負荷と放射線学的特徴あるいは疾患の広がりに関連はなかった。definiteあるいはprobable UIPの患者にしぼって考えると、細菌負荷に両群の差はなかった。PPFEと臨床的感染との間には想定される関連があるにもかかわらず、PPFE自体やその程度と細菌負荷との間に関連はみられなかった。
結論:
下気道の細菌負荷は、IPFにみられる肺実質の基本的な構造破壊に単に二次的に起こるものではない。この関連の独立した性質は、根底にある病態メカニズムの関係を明らかにする上で有用な知見となるだろう。