probable UIPはIPFの診断に充分か?
2020年 04月 17日

Fukihara J, et al.
Probable UIP pattern on chest CT: Is it sufficient for a diagnosis of IPF?
Eur Respir J. 2020 Feb 6. pii: 1802465. doi: 10.1183/13993003.02465-2018.
背景:
近年の研究では、特発性間質性肺炎(IIP)患者において、胸部CTでprobable UIPパターンがあれば、組織病理学がない特発性肺線維症(IPF)の診断に足ることが支持されている。
方法:
われわれは後ろ向きに、初回CTでUIPパターンのIIP患者とprobable UIPパターンの患者において、予後と初回急性増悪(AE)までの期間を比較した。
結果:
160人のUIPパターンのIIP患者と、242人のprobable UIPパターンのIIP患者が同定された。probable UIPパターンは、生存期間の長さ(補正ハザード比0.713; 95%信頼区間0.536-0.950; p=0.021)、初回AEまでの期間(補正ハザード比0.580; 95%信頼区間0.389-0.866; p=0.008)と独立して関連していた。外科的肺生検を受けたprobable UIPパターン患者において、組織病理学的UIPパターンと診断された頻度は83%だった。MDDと縦断的な疾患経過から、IPFと診断されたのは66%だった。IPF患者では、生存期間と初回AEまでの期間はCTパターンとは関連していなかった。probable UIPパターンの患者のうち、非IPF患者と比べるとIPF患者では生存期間と初回AEまでの期間が短かった。
結論:
初回CTでprobable UIPパターンを示したIIP患者では、UIPパターンだった患者と比較して予後が良好で初回AEまでの期間が長かった。しかしながら、ベースラインデータと縦断的な疾患経過によってIPFと診断された場合、CTパターンはこれらのアウトカムとは関連していなかった。すなわち、probable UIPパターンの患者は不均一な集団であることを示唆している。
by otowelt
| 2020-04-17 00:50
| びまん性肺疾患