呼吸器内科医が頚部リンパ節エコー+生検をトレーニングする意義
2020年 04月 02日

Ahmed M, et al.
Routine neck ultrasound by respiratory physicians in the diagnosis and staging of patients with lung cancer and mediastinal lymphadenopathy: a prospective pilot study
ERJ Open Research 2020 6: 00180-2019; DOI: 10.1183/23120541.00180-2019
背景:
頚部リンパ節腫大は、進行期の肺癌を示唆する。縦隔リンパ節腫大の存在は、頚部リンパ節に浸潤している可能性と関連しており、ルーチンでの頚部エコー(NUS)を支持する研究もある。
方法:
Galway大学病院における単施設研究。縦隔リンパ節腫大の定義は、CTで短径10mm以上のものとした。
第1フェーズでは、事前の基準に応じて筆者の1人がNUSトレーニングを受けた。検体採取の妥当性が前向きに記録された。
第2フェーズでは、肺癌を疑われ縦隔リンパ節腫大がある連続患者がNUSとリンパ節生検を行われた。アウトカムは、病理学的解析・分子解析により適切に検体が得られたか、頚部リンパ節腫大の頻度、肺癌の病期の変更、である。
結果:
トレーニング期間ののち、35人がNUSのもと生検を受けた。適切に検体が評価できたのは88.6%(95%信頼区間78.1-99.1%)である。頚部リンパ節浸潤は、30人の肺癌患者(N2:20人、66.7%)のうち13人に観察された(43.3%、95%信頼区間25.5-62.6%)。必要な場合、さらなる免疫組織化学および分子学的検索が実施された(9例に実施)。NUSは、30人のうち4人(13.3%)でリンパ節の病期が上がることとなった。

結論:
呼吸器内科医にNUSと針生検をトレーニングすることは、容認でき、望ましい。肺癌の診断と病期分類マネジメントにこの手順を組み込む利点について、さらなる研究で検討する必要がある。
by otowelt
| 2020-04-02 00:22
| 肺癌・その他腫瘍