2019-nCoV肺炎137例の後ろ向き検討(三次病院)

2019-nCoV肺炎137例の後ろ向き検討(三次病院)_e0156318_2252711.png 疾患名はCOVID-19、ウイルス名はSARS-CoV-2になりました。ややこしい・・・。Facebookで岩田健太郎先生にコメントをいただいたのですが、COVID-19自体が病名となると肺炎のことをどう表記すればよいのかちょっと悩みますね。SARS-CoV-2肺炎と書くと「SARSじゃねぇよ!」というツッコミが出てきそうで。(汗)
 さて、先週末に紹介した138例とほぼ同じ症例数の後ろ向き検討ですが、こちらの武漢の研究は死亡率11.7%とかなり高い死亡率の集団です。

・参考記事:2019-nCoV肺炎138例の後ろ向き検討

Kui L, et al.
Clinical characteristics of novel coronavirus cases in tertiary hospitals in Hubei Province.
Chin Med J (Engl). 2020 Feb 7. doi: 10.1097/CM9.0000000000000744.


背景:
 2019-nCoVは、中国の湖北省、武漢においてアウトブレイクした2020年1月に同定されたウイルス感染症である。この研究の目的は、その疫学、臨床的特徴、治療レジメン、予後について記述することである。

方法:
 2019年12月30日から2020年1月24日までに湖北省の9つの三次病院の呼吸器内科に入院した2019-nCoV肺炎の臨床データ(一般ステータス、臨床症状、検査データ、画像データ、治療レジメン)を収集した。

結果:
 137人(61歳が男性、76人が女性、年齢20-83歳、平均年齢55±16歳、武漢出身50.4%)のうちだれも武漢の海鮮市場の曝露歴はなかった。
 主要な初期症状は発熱(81.8%)、咳嗽(48.2%)、筋肉痛あるいは疲労(32.1%)が多く、頭痛(9.5%)、下痢(8.0%)などは頻度が低かった。呼吸困難は19%にみられた。
 80%近くの患者が白血球数が正常ないしは減少しており、72.3%にリンパ球減少がみられた。
 肺病変は全例で観察され、胸部CTでは多葉にわたる陰影がみられた。浸潤影あるいは索状影にすりガラス陰影を合併するケースも多かった。
 効果的な薬剤はなかったが、症状緩和と呼吸補助がおこなわれた。免疫グロブリンが重症患者に投与された。全身性ステロイドが用いられた患者もいたが、効果はみられなかった。早期からの呼吸補助は、回復を早め、予後を改善した。
2019-nCoV肺炎137例の後ろ向き検討(三次病院)_e0156318_22392417.png
(治療内容:文献より引用)

 死亡のリスクとして、年齢、基礎疾患、症状発現から呼吸困難までの時間が挙げられた。

結論:
 ほとんどの2019-nCoV肺炎には初期症状として発熱がみられ、多くが典型的なウイルス性肺炎の画像所見を呈していた。中年および高齢の基礎疾患が存在すると呼吸不全に陥りやすく、予後が不良になるかもしれない。




by otowelt | 2020-02-13 00:07 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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