重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注は無効
2020年 03月 21日
純粋に投与量の問題ならば、増量の検討が必要になりますね。喘息の生物学的製剤は、やはり皮下注のほうが勝手がよいです。
Bernstein JA, et al.
Effect of fixed-dose subcutaneous reslizumab on asthma exacerbations in patients with severe uncontrolled asthma and corticosteroid sparing in patients with oral corticosteroid-dependent asthma: results from two phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trials
Lancet Respiratory Medicine, February 14, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30372-8
背景:
レスリズマブ3 mg/kg静注は、重症好酸球性喘息に対して承認されている。われわれは、コントロール不良で末梢血好酸球数が上昇している重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注の効果と安全性を検証した。この研究の目的は、レスリズマブ110mg皮下注が喘息増悪率を減少させることができるか(試験1)あるいはステロイド依存性喘息において定期経口ステロイド用量を減少させることができるか(試験2)をみることである。
方法:
両研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験である。試験1の登録基準は、コントロール不良喘息で、過去1年に2回以上の喘息増悪を経験しており、末梢血好酸球数が300/μLを超え、少なくとも中用量ICSに1つ以上の長期管理薬を併用している患者とした。試験2の登録基準は、重症喘息で、末梢血好酸球数が300/μLを超え、経口ステロイドを定期的に内服しており(プレドニゾン5-40mg/日相当)、高用量ICSにその他長期管理薬を併用している患者とした。患者はランダムに4週ごとのレスリズマブ110mg皮下注群あるいはプラセボ投与群に割り付けられ、試験1で52週、試験2で24週投与された。患者と研究者は、治療割り付けが盲検化された。プライマリ効果アウトカムは、試験1では52週間の喘息増悪頻度、試験2では経口ステロイド用量のベースラインからの原料率とした。プライマリ効果アウトカムはITTで解析され、安全性解析は1回でも試験薬が投与された患者を対象とした。
結果:
2015年8月12日から2018年1月31日までに、試験1に参加した468人の患者のうち、232人がプラセボ群、236人がレスリズマブ皮下注群に、試験2に参加した177人の患者うち、89人がプラセボ群、88人がレスリズマブ皮下注群に割り付けられた。
試験1では、ITT集団においてレスリズマブ群とプラセボ群の間に喘息増悪率の差はなかった(率比0.79, 95%信頼区間0.56–1.12; p=0.19)。末梢血好酸球数400/μLを超えるサブグループ患者において、プラセボと比較してレスリズマブ皮下注は喘息増悪の頻度を減少させた(率比0.64、95%信頼区間0.43-0.95)。レスリズマブトラフ値が高い患者では、年間増悪リスク(p=0.0035)および初回増悪までの期間が延長した。
試験2では、プラセボとレスリズマブ皮下注の間で経口ステロイド減量率に有意差はなかった(オッズ比1.23, 95%信頼区間0.70–2.16; p=0.47)。
両試験において副作用イベント、重篤な副作用イベントは同等だった。
結論:
末梢血好酸球数300/μLを超えるコントロール不良喘息に対する固定用量110mgのレスリズマブ皮下注は喘息頻度の減少については無効だった。また、ステロイド依存性好酸球喘息に対する経口捨郎ドの減量にも無効だった。最大の効果を得るには、レスリズマブ皮下注110mgよりも高い曝露が必要かもしれない。
Bernstein JA, et al.
Effect of fixed-dose subcutaneous reslizumab on asthma exacerbations in patients with severe uncontrolled asthma and corticosteroid sparing in patients with oral corticosteroid-dependent asthma: results from two phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trials
Lancet Respiratory Medicine, February 14, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30372-8
背景:
レスリズマブ3 mg/kg静注は、重症好酸球性喘息に対して承認されている。われわれは、コントロール不良で末梢血好酸球数が上昇している重症喘息に対するレスリズマブ110mg皮下注の効果と安全性を検証した。この研究の目的は、レスリズマブ110mg皮下注が喘息増悪率を減少させることができるか(試験1)あるいはステロイド依存性喘息において定期経口ステロイド用量を減少させることができるか(試験2)をみることである。
方法:
両研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験である。試験1の登録基準は、コントロール不良喘息で、過去1年に2回以上の喘息増悪を経験しており、末梢血好酸球数が300/μLを超え、少なくとも中用量ICSに1つ以上の長期管理薬を併用している患者とした。試験2の登録基準は、重症喘息で、末梢血好酸球数が300/μLを超え、経口ステロイドを定期的に内服しており(プレドニゾン5-40mg/日相当)、高用量ICSにその他長期管理薬を併用している患者とした。患者はランダムに4週ごとのレスリズマブ110mg皮下注群あるいはプラセボ投与群に割り付けられ、試験1で52週、試験2で24週投与された。患者と研究者は、治療割り付けが盲検化された。プライマリ効果アウトカムは、試験1では52週間の喘息増悪頻度、試験2では経口ステロイド用量のベースラインからの原料率とした。プライマリ効果アウトカムはITTで解析され、安全性解析は1回でも試験薬が投与された患者を対象とした。
結果:
2015年8月12日から2018年1月31日までに、試験1に参加した468人の患者のうち、232人がプラセボ群、236人がレスリズマブ皮下注群に、試験2に参加した177人の患者うち、89人がプラセボ群、88人がレスリズマブ皮下注群に割り付けられた。
試験1では、ITT集団においてレスリズマブ群とプラセボ群の間に喘息増悪率の差はなかった(率比0.79, 95%信頼区間0.56–1.12; p=0.19)。末梢血好酸球数400/μLを超えるサブグループ患者において、プラセボと比較してレスリズマブ皮下注は喘息増悪の頻度を減少させた(率比0.64、95%信頼区間0.43-0.95)。レスリズマブトラフ値が高い患者では、年間増悪リスク(p=0.0035)および初回増悪までの期間が延長した。
試験2では、プラセボとレスリズマブ皮下注の間で経口ステロイド減量率に有意差はなかった(オッズ比1.23, 95%信頼区間0.70–2.16; p=0.47)。
両試験において副作用イベント、重篤な副作用イベントは同等だった。
結論:
末梢血好酸球数300/μLを超えるコントロール不良喘息に対する固定用量110mgのレスリズマブ皮下注は喘息頻度の減少については無効だった。また、ステロイド依存性好酸球喘息に対する経口捨郎ドの減量にも無効だった。最大の効果を得るには、レスリズマブ皮下注110mgよりも高い曝露が必要かもしれない。
by otowelt
| 2020-03-21 00:37
| 気管支喘息・COPD