COVID-19:主要薬剤のドッキング解析
2020年 02月 19日
国内では国立国際医療センターの前例もあってか、重症例にはカレトラ®を用いることが主流になっているでしょうか。SNSでは「政府は新型インフルエンザ用に備蓄していたアビガン®という特効薬があることを隠蔽しようとしている」というデマが流れていますね。
ちなみに、クリキシバンはもう使われていませんね。
Yu-Chuan Chang, et al.
Potential therapeutic agents for COVID-19 based on the analysis of protease and RNA polymerase docking.
Preprints, doi:10.20944/preprints202002.0242.v1
背景:
2019年12月に、中国の武漢でCOVID-19感染が発生した。2020年2月14日の時点で、60,000人を超える症例と1,000人を超えるの死亡が報告されている。エビデンスのある抗ウイルス剤が入手できないため、医療専門家は支持療法に頼らざるをえない。しかし、現在の研究では、適切なウイルス抑制メカニズムを備えた薬剤を選択すると良好な結果が得られることが示唆されている。
タイのラジャビティ病院では、感染症チームは抗インフルエンザ薬であるオセルタミビルと抗HIV薬であるロピナビル/リトナビルを組み合わせて使用し、重症患者を治療した。ロピナビルとリトナビルはどちらも、HIVプロテアーゼ阻害剤である。また、抗エボラウイルス薬であるレムデシビルは、多くの臨床試験において、in vitroでさまざまなRNAウイルスに対して有効であることが証明されている。
方法:
この研究では、主要プロテアーゼである3CLプロテアーゼと、RNA複製の主要タンパクであるRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を標的受容体として選択した。タンパクとリガンド間の結合親和性をシミュレートするため、2つのドッキングソフト、AutoDock Vina(バージョン1.1.2)およびRosettaCommons(バージョン3.11)を使用した。各リガンドに対して100回反復し、薬剤ごとの最終的な平均親和性スコアを得た。
結果:
3CLプロテアーゼとドッキングする10リガンドの結果をみると、AutoDock Vinaの場合、インジナビルのドッキングスコアが最も低く、ロピナビル/リトナビルよりも優れていた。RosettaCommonsでは、10種類すべての薬物が同様のスコアだったが、アンプレナビル、アタザナビル、ダルナビルのパフォーマンスはわずかに優れていた。

AutoDock VinaとRosettaCommonsを使用したRdRpへの4リガンドのドッキングスコアをみると、レムデシビルは両ソフトで最良のドッキングパフォーマンスを発揮した。レムデシビルが他の薬剤候補と比較して最も安定したドッキング構造を有していると考えられる。

結論:
インジナビルとレムデシビルがタンパクポケットと親和性の高いドッキング構造を持ち、潜在的な治療薬になる可能性があることを明らかにした。
by otowelt
| 2020-02-19 09:10
| 感染症全般









