COVID-19:医療従事者30例の臨床的特徴

COVID-19:医療従事者30例の臨床的特徴_e0156318_2252711.png 医療従事者のCOVID-19をまとめた報告です。

Liu M, et al.
Clinical characteristics of 30 medical workers infected with new coronavirus pneumonia.
Zhonghua Jie He He Hu Xi Za Zhi. 2020 Feb 17;43(0):E016. doi: 10.3760/cma.j.issn.1001-0939.2020.0016.


目的:
 SARS-CoV-2に感染した医療従事者の臨床的特徴を記述すること。

方法:
 江漢大学病院で2020年1月11日~2020年2月3日までに入院したCOVID-19の医療従事者30人が対象となった。臨床所見、検査所見、放射線学的特徴が調べられた。

結果:
 患者の内訳は男性が10人、女性が20人で、22人が医師、8人が看護師だった。年齢は21~59歳で、平均年齢は35±8歳だった。26が軽症だったが、4人が重症だった。1人は肺炎患者と1m以内の濃厚接触があった。平均累積曝露時間は2時間(1.5-2.7時間)だった。
 臨床症状は、発熱23人(76.7%)、頭痛16人(53.3%)、倦怠感あるいは筋肉痛21人(70%)、悪心9人(30%)、嘔吐あるいは下痢9人(30%)、咳嗽25人(83.3%)、呼吸困難14人(46.7%)だった。血液検査では、白血球減少(<4000/μL)が8人(26.7%)にみられた。リンパ球減少(<1000/μL)がみられたのは、12人(40%)だった。肝機能障害が7人(23.3%)にみられた。D-ダイマー上昇が5人(16.7)にみられた。
 健常者と比較すると、感染源の患者に対する曝露時間、BMI、発熱期間、白血球、肝逸脱酵素、LDH、D-ダイマーは有意に重症COVID-19患者で増加しており、リンパ球やアルブミンは有意に減少していた。
 胸部CTでは、斑状影と間質影が観察された。11人(36.7%)が片側の肺炎像、19人(63.37%)が両側の肺炎像、4人(13.3%)に片側GGOが観察された。
 感染予防に配慮した期間と比べて、重症感染症や両側肺炎は、感染予防に配慮していなかった期間のほうが多かった。

結論:
 医療従事者は感染リスクが高い。感染率は、接触時間が長いほど上昇する。重症患者はBMIが高く、発熱期間が長く、白血球・リンパ球・D-ダイマー、アルブミンに変動がみられた。





by otowelt | 2020-02-19 16:28 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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