COVID-19:濃厚接触者8274人の解析による共感染の存在

COVID-19:濃厚接触者8274人の解析による共感染の存在_e0156318_2252711.png 濃厚接触者の規模がすごいですね。プレプリントで、ちょっぴり文章も粗くて、ガガガっと書き上げた感じ。よく分からなかったところがチラホラありました。

Ming Wang, et al.
Clinical diagnosis of 8274 samples with 2019-novel coronavirus in Wuhan
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.12.20022327


背景:
 SARS-CoV-2アウトブレイクは大量に検体が届くため各病院の検査科を逼迫する事態となった。検体の種類、解釈、対応標準などを確立しなければならない。本研究では、同ウイルスおよび共感染の検査について評価した。

方法:
 武漢大学人民医院を2020年1月20日から2月9日までに受診した濃厚接触者8274人に対して行われた蛍光プローブ法定量PCRのデータを用いた。検査を受けた人の年齢中央値は47歳(範囲32-62歳)で、男性が37%だった。鼻咽頭検体を全員から採取し、63人(年齢中央値62歳、65.1%が男性)からは同日の喀痰検体も採取した。また、613人(年齢中央値51歳、49.5%が男性)については、13種類の疑わしい呼吸器感染症病原体についても検査し、そのうち316人(年齢中央値56歳、男性51.6%)については同時にSARS-CoV-2を検査した。

結果:
 8274人のうち、2745人(33.2%)がSARS-CoV-2感染を有していた。5277人(63.8%)は陰性だった。残りの252人は、2つの同ウイルス遺伝子のうち片方しか検出されなかったので不確定となった。片方が陽性となった16人の患者が再検査をおこない、14人が陽性、2人は陰性だった。核タンパクおよびオープンリーディングフレーム(ORF1ab)の陽性率は34.7%、34.7%だった。前者のみが陽性だったのが1.5%、後者のみが陽性だったのが1.5%だった。
 複数回検体を採取された316人のうち、104人がSARS-CoV-2陽性で、3人が別のコロナウイルスの共感染、2人がインフルエンザAの共感染、2人がライノウイルスの共感染、1人がインフルエンザA H3N2の共感染を有していた。残りSARS-CoV-2陰性の212人は、インフルエンザA11人、インフルエンザA H3N2 11人、ライノウイルス10人、RSウイルス7人、インフルエンザB6人、メタニューモウイルス4人、別のコロナウイルス2人の感染を有していた。
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(その他ウイルス感染:文献より引用)

結論:
 SARS-CoV-2に感染した患者の5.8%と、感染していない患者の18.4%が他の病原体検査が陽性だった。共感染を治療し、迅速なスクリーニングを実施して、患者の二次感染を回避することが重要である。




by otowelt | 2020-02-20 10:41 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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