COVID-19:140例の解析からみたリンパ球と好酸球の関係

COVID-19:140例の解析からみたリンパ球と好酸球の関係_e0156318_822360.png まさかAllergyにCOVID-19の論文が掲載されるとは。好酸球にスポットをあてた研究ですね。これは、以前紹介したプレプリントの論文でも指摘されていました(以下の参考記事)。

・参考記事:COVID-19:好酸球減少がSARS-CoV-2陽性診断に寄与?

Zhang JJ, et al.
Clinical characteristics of 140 patients infected by SARS-CoV-2 in Wuhan, China.
Allergy. 2020 Feb 19. doi: 10.1111/all.14238.

 
背景:
 SARS-CoV-2感染による重症急性呼吸器症候群であるCOVID-19は世界中に拡大している。われわれは、SARS-CoV-2に感染した患者の臨床的特徴とアレルギーステータスを調べた。

方法:
 COVID-19の診断で武漢市第七医院に入院した患者140人の電子カルテから、背景、臨床所見、併存症、臨床データ、放射線学的データを抽出し、解析した。

結果:
 男女比はほぼ1:1だった(男性50.7%)。年齢中央値は57.0歳だった。全体の70%が50歳以上だった。入院したCOVID-19の患者は全員市中発症である。入院時、82人が非重症、56人が重症と診断された。
 発熱(91.7%)、咳嗽(75.0%)、倦怠感(75.0%)、消化器症状(39.6%)がもっともよくみられた症状である。基礎疾患としては高血圧(30.0%)、糖尿病(12.1%)が多かった。アレルギー疾患については、薬剤過敏症(11.4%)と蕁麻疹(1.4%)が報告された。喘息その他アレルギー疾患を報告した患者はいなかった。COPD(1.4%)と現喫煙者(1.4%)の存在はまれだった。
 134人(99.3%)は入院時に胸部画像検査で異常が確認された。両肺のGGOあるいは斑状影(89.6%)がよくみられた所見だった。
 リンパ球減少(75.4%)、好酸球減少症(52.9%)がほとんどの患者にみられた。3日目以降の血液検査において、血中好酸球数はリンパ球と正の相関をとった(重症例:r=0.486, p<0.001、非重症例:r=0.469, p<0.001)。血清D-ダイマー、CRP、プロカルシトニンは重症患者のほうが高かった(p<0.001)。
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(入院時初回検査所見:文献より改変引用)
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(好酸球とリンパ球:文献より引用)

結論:
 入院COVID-19患者140人の解析では、リンパ球減少症に好酸球減少症を合併していることが多かった。アレルギー疾患、喘息、COPDはSARS-CoV-2感染のリスク因子ではなかった。高齢者、併存症の数、血液検査における複数の異常は患者の重症度と関連していた。




by otowelt | 2020-02-22 16:01 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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