COVID-19:患者の半数で便中SARS-CoV-2が陽性

COVID-19:患者の半数で便中SARS-CoV-2が陽性_e0156318_822360.png 中山大学第5付属病院からの報告です。半数とはちょっと驚きですね。
  Lancet Gastroenterology & Hepatologyでも指摘されているように、衛生状態が悪い地域では注意が必要かもしれません(Lancet Gastroenterol Hepatol. 2020 Feb 19. pii: S2468-1253(20)30048-0.)。

Fei Xiao, et al.
Evidence for gastrointestinal infection of SARS-CoV-2.medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.17.20023721.


背景:
 直近の症例報告によると、糞便中にSARS-CoV-2が排泄されている。すなわち、感染ルートは呼吸器系だけでない可能性がある。SARS-CoV-2は、侵入時にウイルス受容体としてACE2を使用することが証明されている。ACE2 mRNAは消化器系に高発現している。

方法:
 2020年2月1日~14日のあいだ、73人のSARS-CoV-2感染COVID-19患者から、血清、鼻咽頭、口腔咽頭、尿、便の検体を得た。また、内視鏡をおこなった1人の患者からは、食道、胃、十二指腸、直腸の生検組織も得た。

結果:
 73人の患者のうち、39人(53.42%)(男性25人、女性14人)が便検体のSARS-CoV-2 RNAが陽性だった。便検体が陽性になった期間は、1~12日間と幅広かった。さらに、17人(23.29%)が呼吸器検体のSARS-CoV-2が陰性になったにも関わらず、便検体で陽性が持続した。上部・下部消化管内視鏡検査を受けた1人の患者は、食道、胃、十二指腸、直腸のすべての生検検体においてSARS-CoV-2が陽性だった。ACE2は上皮に発現していたが、食道ではほとんど発現がみられなかった。
COVID-19:患者の半数で便中SARS-CoV-2が陽性_e0156318_21173243.png
(内視鏡検体:文献より引用)

結論:
 われわれの研究結果は、SARS-CoV-2の糞口感染が起こりうることを示唆するものである。




by otowelt | 2020-02-24 01:58 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


by 倉原優
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