COVID-19:9研究50404人の解析

COVID-19:9研究50404人の解析_e0156318_822360.png プレプリントのメタアナリシス。さすがにプレプリントの研究は含まれていませんでした。china CDCの症例がほとんどです。

・参考記事:COVID-19:China CDCによる72314人の解析結果

Pengfei Sun, et al.
Clinical characteristics of 50404 patients with 2019-nCoV infection
medRxiv preprint; doi:https://doi.org/10.1101/2020.02.18.20024539%20doi:


目的:
 SARS-CoV-2感染患者の臨床的特徴について刊行された研究の信頼性のあるエビデンスと治療についてのEBMを提供すること。
 
方法:
 2020年2月まで、PubMed、Cochrane Library、Embaseなどの電子データベースを検索した。SARS-CoV-2感染者の臨床的特徴について、メタアナリシスのため複数の研究を収集した。言語の規定は設けなかったが、刊行されている研究を登録した。

結果:
 9研究、50404人のSARS-CoV-2感染患者がメタアナリシスに組み込まれた。メタアナリシスによると、発熱90.9%、咳嗽70.8%、筋肉痛・倦怠感41%だった。ARDSに陥ったのは14.8%だった。胸部CT写真で異常がみられたのは95.6%だった。全例のうち重症例は21.3%で、死亡率は4.8%だった。
 ARDSの集団で出版バイアスが認められた。

結論:
 発熱と咳嗽がもっともよくみられた症状で、ほとんどが胸部CT写真に異常がみられた。筋肉痛や倦怠感、ARDSは一部にみられた。下痢、血痰、頭痛、咽頭痛、ショック、その他の症状は少数の患者にみられた。死亡率は、SARSやMERSよりも低かった。




by otowelt | 2020-02-24 11:32 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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