COVID-19:PCR検査は喀痰検体と咽頭検体のどちらがよいか?
2020年 02月 24日
これは以前から指摘されていることですね。ただ、母集団54例が本当にCOVID-19かどうかというlimitationもあり、この研究立案にはちょっと疑問です。
24日付けで、先日にNEJMの報告に照らし合わせ、国立感染症研究所の検体採取指針は「鼻咽頭ぬぐい液」に変更されています。
・参考記事:COVID-19:鼻腔・咽頭のウイルス量の推移
Chenyao Lin, et al.
Comparison of throat swabs and sputum specimens for viral nucleic acid detection in 52 cases of novel coronavirus (SARS-Cov-2) infected pneumonia (COVID-19)
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.21.20026187
背景:
2019年12月に、SARS-CoV-2の感染によるCOVID-19の肺炎が中国武漢で発生した。主にRT-PCRに基づいて診断され、検体はもっぱら咽頭スワブにより採取されるが、診断見逃しが容易に起こる。さらに高い同定と精度が求められている。
方法:
武漢市金銀潭医院において、WHOガイダンスによりCOVID-19が疑われた54例では、咽頭スワブと喀痰からペア検体が採取されていた。
結果:
54例の平均年齢は57.3±12.5歳だった。51.9%が男性だった。喀痰検体の陽性率は76.9%、咽頭検体の陽性率は44.2%だった(P=0.001)。36.5%の患者はRT-PCRが両検体で陽性となり、15.4%は両検体で陰性となった。40.4%の患者が喀痰陽性、咽頭スワブ陰性、7.7%が喀痰陰性、咽頭スワブ陽性だった。 (両スワブの検体結果:文献より引用)
結論:
喀痰検体によるSARS-CoV-2陽性率は咽頭スワブよりも高かった。われわれは、喀痰検体により診断すべきと考える。
24日付けで、先日にNEJMの報告に照らし合わせ、国立感染症研究所の検体採取指針は「鼻咽頭ぬぐい液」に変更されています。
・参考記事:COVID-19:鼻腔・咽頭のウイルス量の推移
Chenyao Lin, et al.
Comparison of throat swabs and sputum specimens for viral nucleic acid detection in 52 cases of novel coronavirus (SARS-Cov-2) infected pneumonia (COVID-19)
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.21.20026187
背景:
2019年12月に、SARS-CoV-2の感染によるCOVID-19の肺炎が中国武漢で発生した。主にRT-PCRに基づいて診断され、検体はもっぱら咽頭スワブにより採取されるが、診断見逃しが容易に起こる。さらに高い同定と精度が求められている。
方法:
武漢市金銀潭医院において、WHOガイダンスによりCOVID-19が疑われた54例では、咽頭スワブと喀痰からペア検体が採取されていた。
結果:
54例の平均年齢は57.3±12.5歳だった。51.9%が男性だった。喀痰検体の陽性率は76.9%、咽頭検体の陽性率は44.2%だった(P=0.001)。36.5%の患者はRT-PCRが両検体で陽性となり、15.4%は両検体で陰性となった。40.4%の患者が喀痰陽性、咽頭スワブ陰性、7.7%が喀痰陰性、咽頭スワブ陽性だった。
結論:
喀痰検体によるSARS-CoV-2陽性率は咽頭スワブよりも高かった。われわれは、喀痰検体により診断すべきと考える。
by otowelt
| 2020-02-24 12:58
| 感染症全般