COVID-19:重慶における退院例51人の検討

COVID-19:重慶における退院例51人の検討_e0156318_822360.png 退院例ということですが、基本的には既知の知見で、目新しい情報はなさそうです。

liu lei, et al.
Clinical characteristics of 51 patients discharged from hospital with COVID-19 in Chongqing, China.
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.20.20025536


背景:
 2019年12月からSARS-CoV-2感染症(COVID-19)が中国武漢で発生しており、中国全土だけでなく世界中に拡大している。われわれは、武漢地域におけるCOVID-19の疫学的・臨床的特徴を記述し効果的な治療を探索した。

方法:
 後ろ向き単施設研究において重慶大学三峡病院から2020年1月29日~2月11日に退院した症例51例の患者を解析した。疫学、患者背景、人口動態、臨床所見、検査所見、画像所見、治療についてデータを抽出した。さらに、重症例と非重症例を比較した。

結果:
 COVID-19で入院した51例の年齢中央値は45歳(IQR 34-51、範囲16-68)で、32人(62.7%)が男性だった。43人(84.3%)が武漢あるいはその他湖北省地域への渡航歴があり、4人(7.7%)がCOVID-19患者との濃厚接触歴があった。
 臨床症状は発熱43人(84.3%)、咳嗽38人(74.5%)、倦怠感22人(43.1%)が多かった。リンパ球減少症が26人(51.0%)に観察され、CRP上昇は32人(62.7%)にみられた。
 GGOが胸部CTでよくみられた所見(41人[80.4%])で、局所的浸潤影は17人(33.3%)にみられた。
 28人(54.9%)の患者が漢方薬で治療を受けており、その全員がインターフェロンα1b注射、ロピナビル/リトナビルによる経口抗ウイルス薬を投与されていた。44人(86.3%)の患者がBacillus licheniformisカプセル治療を受けていた。10人(19.6%)が短期的(3-5日)全身性ステロイド治療を受けた。
 非重症例44人と比較すると、重症例7人は高齢(年齢中央値52歳 vs 44歳)で、糖尿病合併率が高く(57.1% vs 0%)、抗菌薬治療を受けやすく(100% vs 9.1%)、呼吸困難を訴えやすかった(85.7% vs 11.4%)。重症例の6人(85.7%)がネーザルハイフローを受け、その後非侵襲性換気へスイッチした。1人は挿管されたが、死亡した。残りの50人は全員軽快退院した。リンパ球、CRPは正常化へ向かった。入院期間中央値は12日(IQR 9-13)だった。

結論:
 COVID-19に罹患し退院した51例のうち、13.7%が重症だった。発熱、咳嗽、倦怠感が主症状だった。一部の患者は呼吸困難を訴えていた。疾患特異的な有効治療はなかった。





by otowelt | 2020-02-24 15:16 | 感染症全般

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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