COVID-19:短期死亡を予測するインデックス
2020年 02月 25日
いろいろ考えて提唱されたのですが、リンパ球が除外されて結局のところ年齢とCRPだけという疾患非特異的なインデックスになってしまいました。SARS-CoV-2陰性例も含まれているので、当然市中肺炎も組み込まれているわけで・・・。
Jiatao Lu, et al.
ACP risk grade: a simple mortality index for patients with confirmed or suspected severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 disease (COVID-19) during the early stage of outbreak in Wuhan, China
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.20.20025510.
背景:
SARS-CoV-2によるCOVID-19が中国武漢でアウトブレイクし、ヘルスケアリソースが逼迫してしまった。COVID-19の発生と死亡者数をより迅速に制御するための鍵となる、効率的マネジメントへのアプローチが必要である。COVID-19の確定例・疑い例について入院患者の臨床的特徴を記述し、死亡リスクを予測するインデックスを作成することを目的とした。
方法:
この後ろ向き単施設コホート研究において、2020年1月21日~2月5日まで、COVID-19が疑われた武漢市漢口医院の入院患者を組み入れた。背景、臨床所見、検査データ、放射線学的および臨床的アウトカムが収集された。
結果:
少なくとも入院後1回でも評価を受けた577人の患者の年齢中央値は55歳(IQR 39-66)で、254人(44.0%)が男性だった。22.8%(438人中100人)が重症肺炎で入院し、199人中75人(37.7%)がSARS-CoV-2陽性だった。
SARS-CoV-2が陽性だった患者と陰性だった患者の臨床データ、検査データ、放射線学的データを比較した。中央値8.4日(IQR 5.8-12.0)の追跡期間の間、39人が死亡した。12日の累積死亡率は8.7%だった(95%信頼区間5.9-11.5)。死亡リスクを評価するインデックスとしてACPインデックスを提唱する。これは年齢(Age)、CRP(C reactive Protein)で構成される。このインデックスによって、患者を3群に分けたところ、累積死亡率は以下のようになった(P<0.001)。
(単変量解析と多変量解析:文献より引用)
(生存曲線:文献より引用)
結論:
COVID-19に対するACPインデックスは短期死亡を予測する。
by 倉原優
Jiatao Lu, et al.
ACP risk grade: a simple mortality index for patients with confirmed or suspected severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 disease (COVID-19) during the early stage of outbreak in Wuhan, China
medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.20.20025510.
背景:
SARS-CoV-2によるCOVID-19が中国武漢でアウトブレイクし、ヘルスケアリソースが逼迫してしまった。COVID-19の発生と死亡者数をより迅速に制御するための鍵となる、効率的マネジメントへのアプローチが必要である。COVID-19の確定例・疑い例について入院患者の臨床的特徴を記述し、死亡リスクを予測するインデックスを作成することを目的とした。
方法:
この後ろ向き単施設コホート研究において、2020年1月21日~2月5日まで、COVID-19が疑われた武漢市漢口医院の入院患者を組み入れた。背景、臨床所見、検査データ、放射線学的および臨床的アウトカムが収集された。
結果:
少なくとも入院後1回でも評価を受けた577人の患者の年齢中央値は55歳(IQR 39-66)で、254人(44.0%)が男性だった。22.8%(438人中100人)が重症肺炎で入院し、199人中75人(37.7%)がSARS-CoV-2陽性だった。
SARS-CoV-2が陽性だった患者と陰性だった患者の臨床データ、検査データ、放射線学的データを比較した。中央値8.4日(IQR 5.8-12.0)の追跡期間の間、39人が死亡した。12日の累積死亡率は8.7%だった(95%信頼区間5.9-11.5)。死亡リスクを評価するインデックスとしてACPインデックスを提唱する。これは年齢(Age)、CRP(C reactive Protein)で構成される。このインデックスによって、患者を3群に分けたところ、累積死亡率は以下のようになった(P<0.001)。
・年齢60歳以上、CRP≧3.4mg/dL:33.2%(95%信頼区間19.8-44.3) ・年齢60歳以上、CRP<3.4mg/dL:5.6%(95%信頼区間0-11.3) ・年齢60歳未満、CRP<3.4mg/dL:0% |
結論:
COVID-19に対するACPインデックスは短期死亡を予測する。
by otowelt
| 2020-02-25 05:16
| 感染症全般
近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp
by 倉原優
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